遺言書・遺言状の書き方・作成方法

遺言書にはいくつかの種類がありますが、ここでは最もポピュラーな遺言書、「自筆証書遺言書」の書き方についてご紹介します。口頭やワープロ、代筆は認められていないなどの基本的なルールから、財産を譲り受けた人たちのことを考えた書き方までご紹介しますので、円滑な相続が出来るよう、遺言書を作成しましょう。

自筆証書遺言書の基本的ルール

自筆証書遺言書は遺言書として最もポピュラーなものですが、作成時に公証役場のチェックが入らない分、遺書として無効と判断される機会が多いものです。注意点としては、下記があります。

・作成者が判断能力のある満15歳以上であること

・遺言書の前文を自筆で書くこと

 (タイプしたものやコピー、点字は無効)

・作成年月日を明記してあること(スタンプは無効となる)

・遺言者名がフルネームで書いてあり、押印がしてあること

・訂正をする場合は訂正前の文字が読めるように二重線を引いて消し、押印すること

 (署名の印鑑と同一のもの)

・夫婦連名や共同遺書でないこと

・封筒に入れ、封印がされていること。(変造を防ぐため)

自筆であることが大前提となり、鉛筆でも可能とされていますが、容易に偽造されてしまいますので、万年筆・筆・インクペンで書くなどの対策が必要となります。また、痴呆などで判断能力の無い方の書いた遺書は無効となる場合があり、その際は自筆である証拠が必要となりますので、その点も注意してください。

遺言書の書き方のポイント

形式的なルールを頭に入れたところで、次に、より良い遺言書の作成方法をご紹介します。

1.財産を特定できるような表記にする

「自宅」「別荘」「ゴルフ券」など、複数存在するような場合はきちんと指定をして正しい表記で残すことが重要です。特に不動産の場合は、登記情報と同一内容を具体的に記載することが基本です。

2.記載事項は正確にする

「だいたい」「ほぼ」などのあいまいな表現は避けてください。また、人名は戸籍謄本・住民票、不動産は登記時効証明書、預貯金は通帳・証書を見ながら正確に書くようにしましょう。

3.不動産は「相続させる」と書く

遺書には「相続させる」「遺贈する」などの表現がありますが、不動産の場合は「相続させる」と表現するようにしてください。そう、表現することによって相続人にはいくつかのメリットが発生します。①単独で不動産移転登記が可能。(遺贈だと他の相続人と共同申請になるため)②移転登記の際の登録免許税が安く済む(「相続」なら不動産評価額の0.4%に軽減される)

4.遺言執行者を指定する

遺言執行者は破産者などを除き、基本的に誰もがなることが可能です。ですが、問題を回避するために、法律の専門家である弁護士などを指定することが好ましいと考えられます。

5.言葉を添える

世話をしてくれた次男に多額の財産を遺したい、など特定の相続人に対しての取り分を多くする場合は理由や経緯をつけてトラブル防止につなげるようにしましょう。

作成者の少しの心遣いで、相続時の争いを軽減できることがあります。財産を遺したいという心遣いのほかにも、相続に関わる方全員への思いやりをもって遺書を作成してください。

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