相続税の手続き
相続税の申告・納税における手続き方法
相続税の申告をするときは、被相続人が死亡当時の住所を所轄する税務署に相続税の申告書を提出します。相続人の住所を所轄する税務署ではないので気をつけてください。提出の際に使う申請書等は15表まで存在しますが、それら全てを使う必要はないので、適切な書類を選んで記入しましょう。
詳しくは下記国税庁のHPよりご確認ください。申請書等の様式一覧にアクセス、ダウンロードが出来ます。中身は年度によって更新される可能性がありますので、相続開始時における年度のものをダウンロードして使用しましょう。
[手続名]相続税の申告手続
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/sozoku-zoyo/annai/2223-01.htm
次に納税ですが、こちらは申告と異なり、税務署だけでなく金融機関や郵便局の窓口でも行うことが可能です。ただし、期限を破ってしまうと延滞税がかかってしまうので、申告・納税期限がいつになるかはしっかり確認しておきましょう。
なお相続税は基本的に現金で一度に納めなければなりませんが、延納(分割払い)や物納が認められる場合もあります。その際は相続税の申告期限までに所定の手続きが必要になるので、利用を考える場合は合わせて覚えておきましょう。
手続きにおいて注意すべき点
相続税の手続きにおいて注意しなければいけないのは、まず配偶者控除など基礎控除以外の税額控除や小規模宅地等の特例を適用する際は、仮に算出した相続税支払額が0円の場合でも申告する必要がある点です。
控除を考慮に入れて計算する場合がほとんどだと思いますが、これらの控除や特例は申告することで初めて適用されます。もし、申告しないまま期限が過ぎてしまうと、控除や特例の適用できなくなる上に追徴税が発生してしまいますので注意してください。
次に、期限内に遺産分割協議がまとまらない場合の申告・納税についても注意しなければいけません。
相続税は期限を超えての申告・納税は認められないため、この場合は一旦法定相続分に従い遺産分割をしたとして相続税を支払っておきます。そして正式な分割が決まった後、その翌日から4ヶ月以内に税務署へ申告することで差額を清算が出来ます(最初より多い場合は「修正申告書」を提出して税金を納付、少ない場合は「更正の請求」を提出して税金の還付を受けます)。
もし、配偶者控除や小規模宅地等の特例の適用を考えている場合は、最初の支払の際「申告期限後3年以内の分割見込書」を一緒に提出しておきましょう。するとこの期間内に分割が決まれば控除の適用対象になります。
お金絡みの問題を解決するのはそう簡単なものではありませんが、税金のことを考えるならば、遺産分割は申告期限から最悪3年以内に行うのが望ましいといえるでしょう。
相続税の手続きにおける流れ
相続開始からの手続きの流れはおおまかに以下の通りです。
死亡から3ヶ月以内に行うこと
・死亡届を7日以内に市区町村に提出する
・葬儀費用の領収書を整理・保管しておく(債務控除にかかわってきます)
・債務を含む遺産の概要を把握する(ここで相続するかどうかを判断します)
・遺言書の有無を確認する(遺言書は原則家庭裁判所で検認する必要があります)
・法定相続人の確定する(戸籍謄本を取り寄せ確認)
・相続放棄、限定承認の申述を家庭裁判所へ行う
死亡から3ヶ月以降10ヶ月以内に行うこと
・相続財産の評価及び債務の確認する
・相続人全員で話し合い分割協議を確定する
・遺産分割協議書を作成する(遺言がある場合は必要なし。全員の実印、印鑑証明が必要)
・相続税の申告書を作成する
・相続税の申告・納税を行う
・不動産や預貯金など相続財産の名義変更を行う
「相続 専門家プロファイル」へご相談ください。
※専門家の紹介、また、専門家からの提案・見積りは、無料でお使いいただけます。実際にお仕事を発注する段階で金額などは専門家と個別にご相談ください。
相続税の手続きに関するコラム
-
1次相続が未分割の場合の2次相続の申告後の更正の請求今日の事例は、できるようで実はできない制度をご紹介します <事例> 甲と乙の夫婦にはABの子がいました。 今年、夫の甲が亡くなりその3カ月後に妻の乙が死亡しました。 甲乙ともに遺言書を作成していなか…
- 近江 清秀
- 税理士
相続税の手続きに関するQ&A
-
贈与と税対策先日はお忙しい中、2名の専門家の方にお答えいただきまして。どうもありがとうございました。それぞれの先生のアドバイスを参考にしながら家族と相談していますが、新たに疑問が出てきました。「どのような方法を…
- 吉野 充巨
- ファイナンシャルプランナー