借金を相続した場合の相続税
相続する財産は全てがプラスの財産とは限りません。借金などのマイナスの財産も相続する場合は引き継いでいかなければならないのです。では相続税を計算する際、マイナスの財産はどのように扱われるのでしょうか?
実のところ、プラスの財産から差し引かれ、相続税はその差額に対してかけられます。したがって、マイナスの財産を把握することは相続を優位に進める上で重要なポイントとなりうるのです。ただし、差し引ける財産や差し引くことが出来る人には決まりがあり、これらを正確に把握しておく必要があります。詳しくは以下で説明しますので確認していきましょう。
プラスの財産から差し引くことが出来る債務と出来ない債務
プラスの財産から差し引くことが出来るマイナスの財産は、被相続人が死亡したときにあった債務で確実と認められるものに限ります。具体的には、銀行や会社などからの借金や未払い利息、医療費の未払い分、固定資産税・所得税・住民税といった税金の未納分などです。ただし例外的に、死亡後に確定し相続人などが支払うことになった税金も対象となります。その他に厳密には債務と異なりますが、葬式費用も差し引くことが出来ます。
一方、被相続人が生前購入したお墓や仏壇の未払い代金など、非課税対象の財産に関する債務は、遺産総額から差し引くことはできません。
債務をプラスの財産から差し引くことが出来る人
借金などのマイナスの財産をプラスの財産から差し引くことが出来るのは、それらを負担することになる相続人や包括受遺者(遺言により遺産の全部あるいは何割というように遺産全体に対する割合で財産を与えられた人)です。ただし、相続人や包括受遺者であっても、相続や遺贈により財産をもらったときに日本国内に住所がない人で以下のいずれにも該当しない人は、遺産総額から控除できる債務の範囲が限られ、葬式費用も控除することができません。
・相続や遺贈によって財産をもらった時点で日本国籍を有しており、被相続人もしくは財産をもらった人が被相続人の死亡前5年以内に日本国内に住所を有したことがある
・相続や遺贈によって財産をもらった時点では日本国籍を有していないが、被相続人が日本国内に住所を有している
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- 吉野 充巨
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