遺産相続における兄弟の問題・トラブル事例集

相続で仲の良い兄弟・姉妹が犬猿の仲になってしまう、というのは良くある話です。裁判で争っても解決が難しい場合なども多く、なた、両親からの財産ですので思い入れがあったり、感情的になってしまうこともしばしば。こちらでは、兄弟間でよくあるトラブルの事例集をご紹介しますので、ご自分に置き換えて考えてみてください。

母に続けて父も他界。長女である私への遺産分に対して妹が不満たらたらです。

長女で未婚の私が両親の介護をしてきました。母の次に父が亡くなりました。同居をしていた私が土地・家(評価額3000万円)、妹が預貯金(約500万円)を相続する予定でしたが、妹から快い返事をもらえません。妹は私立の大学に進学し、今は過程もあります。私は高校卒業後就職をし、母が亡くなってからは父の暮らしを支えてきましたので、今までの精神的な分も加味して欲しいのですが。

このような場合、2500万円もの開きがあることから、実際にすんなりと妹さんも頷けるものではないのかもしれません。また、妹さんには家族があるとのことですので、お子さんの教育資金も必要でしょう。ただ、遺言書が残っておらず、お父様との口約束になってしまっているので、実際の相続としては1750万円の相続分があります。1000万円ほど妹さんに支払うことになりますが、現金の用意が難しいのであれば、家を売却する必要があります。更に揉めることを避けるためにも、相続をしている間に気持ちよく片付けてしまいましょう。

父の遺言で相続予定の土地と家を兄が登記していた。

父が亡くなり、現在弟の私の家族と母が一緒に住んでいる家と土地を、母の面倒を見るという条件に父が私に譲ると遺言を書いてくれました。兄は大学を出て独立し、家庭を持って事業も成功させているため、預貯金と株式を相続させるとの指示でした。しかし、兄は納得できなかったようで、私が土地建物の名義書換えをしようと思ったら既に兄が法定相続分の相続登記をしていました。これから遺言どおり土地建物を私の名義にすることは可能でしょうか。

法定相続人であれば、法定相続に基づく不動産の相続登記をすることが可能です。更に、分割協議中でも自分の持分であれば他の相続人に関係なく売却することもできます。ですから、自分に不動産が相続されると分かった時点で出来るだけ早く登記を行いましょう。この事例のように一度登記をされてしまうと、遺言を執行しようとしても、兄の登記を取り消さなければ自分の登記が成立しません。また、兄は悪意があって先に登記を行ったわけですから、すんなりと登記取り消しに応じてくれるとは思えませんね。こうなったら家庭裁判所における調停・審判か、地方裁判所における訴訟が必要になります。登記の放置で大きな手間と時間がかかることになってしまいますし、更には兄弟で裁判という事態にまで発展してしまいます。お父様の遺志を大切にするためにも、速やかに手続きを行いましょう。

母親が亡くなったが、父親の相続の時に遺産分けは済んでいると弟が譲らない。

父親が8年前に亡くなり、その時に遺産のほとんどを母と、同居している弟で分けました。私と妹は他家に嫁いでいるため、僅かな金額を譲り受けたのみです。今回、母親が亡くなったのですが、弟が「父の相続のときに遺産分けは済んでいるから、今回は分けるつもりはないよ」と言い張っています。

父親の相続と母親の相続は別の話になります。弟さんが同居をしており、介護をしていたとしても、土地や家、更に現在の財産の行方を勝手に決めることはできません。遺言書が無ければ、3人兄弟で均等に1/3ずつ分けるのが原則ですので、話し合う必要があります。姉妹が嫁いでいるので、弟さん家族がその家に住むということで、財産を姉妹で分けるなど、兄弟同士で争いが起きない形で話し合ってみてください。それでも弟さんが譲らないようであれば、弁護士などの専門家に相談して、法的な説明を求めるのも一手かもしれません。

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