相続紛争とは

高齢化社会が進み、現在、約100万人が年間に死亡していると言われています。相続人同士の仲が良く、スムーズに相続が進む場合が大半です。しかし、核家族化が進んでいるために相続人の関係が複雑化していることに加え、相続人自体の相続権の意識が高まっているため、約10万件ほど年間に相続によるトラブルが発生しています。 相続とは遺書が残されていない場合、一般的には相続人同士で各人が保有する分配に従って財産を分割する作業になります。しかし、財産が不動産ばかりでそこにまだ家族が住んでいる、といった場合は現金での解決は非常に難しくなっています。また、亡くなった方の介護をしてきた分の貢献も加味してほしいなどの精神的な面でも解決が難しいとも言われています。ここでは、実際に発生している相続に関するトラブルをご紹介します。

地方に残された土地の相続問題

田舎の農地で家庭菜園をして生活していた父が他界。子供3人はそれぞれ独立して家もあり、田舎に帰る気は誰もない…両親が最期まで健在で要介護でなかった場合にこのようなケースは増えてきています。実際に、家族は都会で暮らしており、月に何度か、介護のために帰るという子供もいるほど。預貯金がなく、田舎の農地と家のみが相続財産であった場合、移住する予定が無いのであれば心残りはあったとしても、売却して換価分割を行うことをおすすめします。

兄弟同士の共有財産として残しておいても、実際に誰かが資産として運用したい、自分の住居として登記したいなどという事が起きたら、その際に分割協議をすることは至難の業になります。相続協議をするのは早め早めがポイントです。使わないであろう不動産は売却して財産をそれぞれで分割するのが無難でしょう。

分割協議成立後に認知した子供が相続権を主張

亡くなった父の遺産分割協議が終わってから、弁護士を通じて父が認知した子だという人物が相続権を主張してきました。母と知り合う前に出来た子だとのことで、母自身も驚いています。

実際に男性が亡くなった場合に過去に認知していた子が相続権を主張してくるということは稀に発生します。このケースであれば、既に遺産分割協議は成立していますが、相続人が欠けていたということになりますので無効となります。時間をかけて決めた分割協議を無効にしないためには、故人の戸籍謄本をさかのぼって相続人を確認する必要があります。認知している子供の場合は戸籍上父親という事になっていますから、事前に戸籍謄本を確認していればこのような自体は免れることができました。また認知している子供への相続権は法定相続分は非嫡出子の1/2となります。

分割協議成立後に遺言書を発見したが、成立した協議はどうなるのか

急な病気や事故などで被相続人が遺書を全く知らせずに急逝してしまうことは防ぐことができません。遺書の存在を知らずに相続人同士で分割協議を行った後に遺書が発見された場合はどうなるのでしょうか。基本的に、財産の一部または全てをある相続人に相続させるという内容であれば、記載されている財産は分割協議から外されますので、無効になります。

ただし、遺言で財産の受け取りを指定された相続人がその権利を放棄して、相続人全員が分割協議通りで良いという合意があれば、協議内容を維持できます。また、遺言書で遺言執行人が指定されている場合は、その方に決定権を委ねることも可能です。

遺言はまず、検認という手続きが必要になります。そのため、存在を知らずに発見した場合でもその場で開封せず、まずは家庭裁判所に提出し、検認を受けましょう。

父が急逝。認知症の母も相続人になりますか?

高齢化社会が進んでおり、ご高齢の方の認知症も大きな問題となっています。夫が亡くなった妻の場合は、遺産の相続権がありますから、もちろん分割協議には参加してもらわなくてはなりません。しかし、息子などの相続権を持つ人間は代理人となることはできません。この場合であれば、法定後見人制度を利用して協議を進めることになります。法定後見人制度は、判断能力に欠ける人を支援する制度です。代理人には申込み・登記手数料はかかりますが、この場合は妻の意思がなければ相続を行うことはできませんので、申請を行ってから財産分割協議を行うようにしましょう

義母の介護を一人で行ってきたが、私にも相続権はあるの?

義父・夫が亡くなり、義母の介護を一人で看てきたお嫁さんは多く存在します。しかし、相続とは遺言に記載がない限り血縁関係のみで行われるもの。実際に、この場合お嫁さんに相続権はありません。夫婦間で子供がいる場合は、代襲相続といって子供が相続人になるため、介護分を協議の際に考慮してもらい、多く遺産をもらうことが可能です。ただし、子供がいない場合は全く受け取ることができませんので、この点は考慮してください。また、介護にかかった費用等は書類等でまとめておくことも必要です。

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