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どう見ても山田君の家
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黒の革ジャンとがったブーツ、クシでなでるはリーゼント、ツレのアダ名はジョニーにエミリー、ジェームスディーンになりきっている、でもあんた顔見たらどう見ても山田君。
この歌が大好きです。大昔の嘉門達夫のパロディーソングで、日本人の特性をズバリと言い当てています。
私達はこの山田君を決して嘲笑出来ません。これが日本の文化なのです。太古から日本は文化文明の最終到達地点でした。世界中の文明文化が最も洗練されて日本にやって来るのです。
そして日本流に昇華させてしまいます。
ギリシャはパルテノン神殿の列柱の膨らみ(エンタシス)は、奈良の法隆寺の回廊の柱にも見られます。
ヘラクレスが日本にまで来て金剛力士と名を変えます。
そんな大昔から、日本は海外の文化を取り込んでいたのです。山田君もいつか、リーゼントを自分に最も似合う様に変化させるでしょう。
話し変って日本の住宅も、海外の影響をモロに受けています。昭和30年代のTVの登場で海外の住いの文化を日本に居ながら見られるようになりました。特にアメリカのホームドラマに出てくる広くてカッコイイ住宅は、ウサギ小屋に住んでいる日本人には垂涎の的でした。
今、家の外観をデザインする時、和風・洋風と云う言葉こそ使わなくなりましたが、数奇屋の様な純日本的な家を志向する人はいなくなりました。
何処か、洋風のテイストをベースにした新たな日本流を探しているのです。話しを戻せば山田君がアメリカ流のリーゼントでは似合わないと気付き始めた段階です。
靴を脱いで家に入る習慣は日本が世界に誇るべき文化です。靴下を下着と考える西洋人には決して真似の出来ない生活習慣です。日本の家が幾ら洋風になっても土足の生活をしたいと云う依頼を受けたことがありません。和室を造るかどうかは好みの問題ですので、全く和室の無い家も多く設計しましたが、玄関や下駄箱収納の空間がもったいないから、土足の生活をすると云う発想はありません。
こうして自分に合う良いものだけを吸収して、自分流に昇華させていくのが日本流なのです。決して猿真似と蔑まれても、卑下する必要はありません。これが日本の誇るべき文化なのです。
頑張れ山田君!
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