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強風と金属屋根の音鳴り
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折板屋根等の金属製の屋根の場合、風向きによってボーッウと云う重低音の音が鳴り響く事があります。金属屋根の隙間に風が入ってフルートの様な木管楽器が音を出すのと同じ原理で鳴る場合が多い様です。
先日それとは違う音鳴りを体験しました。心当たりのある隙間を全て塞いだのですが、風が吹く度に音鳴りが起こります。興味をそそられましたので、風の強い日に屋根の上に上がって聴診器で屋根面の何処が鳴っているのか調べました。
屋根面でも振動音が聞えているのですが、最も大きく鳴っていたのはTVのアンテナだったのです。アンテナを固定するメッセンワイヤーが風でフラッタ現象を起こしアンテナ全体を振動させて、運悪く棟換気孔の直上にアンテナが設置されていたものですから、折板屋根の空洞部分が共鳴箱の役割を果たし、ギターの弦を弾いた様な音を出していたのです。
アンテナの位置をずらし、アンテナ台の下に防振ゴムをかませると音は見事に止まりました。
注文住宅は、二つとして同じものは造りません。毎回が初めての仕事です。ですので今まで経験で、これで大丈夫と判断して、行動に移すのですが、仕事をする度に新しい発見に出くわします。
その発見を糧にして、次の新しい創意工夫に盛り込む姿勢が、設計者には求められているのだと思います。
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