福味 健治(建築家)- コラム「昭和な家」 - 専門家プロファイル

福味 健治
木造住宅が得意な建築家。

福味 健治

フクミ ケンジ
( 大阪府 / 建築家 )
岡田一級建築士事務所 
Q&A回答への評価:
4.6/71件
サービス:2件
Q&A:135件
コラム:934件
写真:2件
お気軽にお問い合わせください
06-6714-6693
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。
印刷画面へ

グループ

専門家への個別相談、仕事の依頼、見積の請求などは、こちらからお気軽にお問い合わせください。
問い合わせ
専門家への取材依頼、執筆や講演の依頼などは、こちらからお問い合わせください。
取材の依頼

昭和な家

- good

●Coffee Break 2013-02-04 09:37

先日、平成世代の方から建替え新築のご相談を受けました。今まで住んでいた家が暗く、寒く、湿気が酷いの三重苦であるため、それらを解消するには建替えが最も効果的と判断したとの事でした。私も同意見です。
相談者さんは極めてノーマルな方で、気持ちの良いお付き合いが出来そうなのですが、一つだけ絶句したリクエストをされました。それが、「昭和な家に住みたい」と云うものです。
大正時代の近代住宅草創期の家の雰囲気が良いとか、明治時代の洋風建築に憧れを感じるとか言われれば、私も知識として、頭に詰め込んでありますので、イメージ出来るのですが、昭和時代をその様に考えた事がありません。
私は昭和のど真ん中世代ですので、昭和のことなら大体の事は解りますが、平成世代の方が何をして昭和だと感じているのが分かりません。「三丁目の夕日」とか「コクリコ坂から」とか最近、昭和をテーマにした映画が何本か上映され、それらを昭和の知識として得られているのでしょうか?
大変良く出来た映画で、確かに郷愁をそそるのですが、CGを見る様な違和感も感じます。昭和の全てを投影していないのです。
映画の時代には、アルミサッシュはありません。ユニットバスなんて昭和55年以降の製品です。ハード面で昭和の建物が良いと仰っているのではない事は、建替え理由からも明らかです。
では、ソフト面の昭和とはどの様なものだったのでしょうか。平成の今の世と大差無いようにも思うのですが、平成世代の人たちはそこに明らかな違いを感じている様です。
昭和にあって平成に無い何かを、それ以降ずっと考えています。おぼろげながら思い当たる節も何点か見つかりました。それは親から子、子から孫へ伝わる家族のアイデンティティーではないでしょうか。昭和時代では「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」に代表されるように三世代同居が当たり前でした。昭和の後半から核家族化が進み、家族のアイデンティティーを受け繋ぐ機能がが失われています。
アイデンティティーと云えば、焦点がボケますが、日本人としての道徳心とか、人を思いやる気持ちと云った方が良い様な気もします。人が人としてやって良いこと悪いことは私も、父母よりも、お爺いちゃん、お婆ちゃんに教わった記憶の方が多く残っています。
色々な事情があり、核家族化が進んだのですが、新しい日本人のアイデンティティーを次の世代に伝える事の出来る家を設計してくれと云われた様な気がしています。

カテゴリ 「●Coffee Break」のコラム

ゴム手袋で握る寿司(2017/01/19 10:01)

カテゴリ このコラムに関連するサービス

メール相談 新築・増改築のご相談

住宅性能表示制度や長期優良住宅やエコポイントにも対応する、環境とお財布に優しい住まいの提案

料金
無料

経済的な熱損失計算(性能基準)で、次世代省エネ基準を取得できる提案をします。
構造等級3を基本にご相談いたします。木造三階建て等で行う応力度計算も自社で行いますので、意匠と構造の齟齬がありません。
また、IAU型免震住宅設計資格取得者として、免震住宅等の相談も行っています。

新築・増改築のご相談
プロフィール評価・口コミ対応業務経歴・実績連絡先・アクセスサービスQ&Aコラム写真