福味 健治(建築家)- コラム「免震構造と他の構造の違い」 - 専門家プロファイル

福味 健治
木造住宅が得意な建築家。

福味 健治

フクミ ケンジ
( 大阪府 / 建築家 )
岡田一級建築士事務所 
Q&A回答への評価:
4.6/71件
サービス:2件
Q&A:135件
コラム:934件
写真:2件
お気軽にお問い合わせください
06-6714-6693
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。
印刷画面へ

グループ

専門家への個別相談、仕事の依頼、見積の請求などは、こちらからお気軽にお問い合わせください。
問い合わせ
専門家への取材依頼、執筆や講演の依頼などは、こちらからお問い合わせください。
取材の依頼

免震構造と他の構造の違い

- good

●免震構造住宅 2012-08-01 07:30

免震構造は、建物に地震の衝撃を伝えない唯一の構造です。また、工法的には国交省も認定した確立された工法です。

福島原発事故で何度もマスコミの話題となった、重要免震棟。この建物は、全プラントの状況を把握し、災害の拡大防止および復旧のための指揮を執ったり、自治体や消防等関係機関へのホットラインを備えた「緊急時対策室」が設置され、原子炉プラントの中枢の役割を果たします。
もしも、重要免震棟が無く、管理機能や通信機能が失われていれば、日本はもっと大パニックになっていたでしょう。管理設備や通信施設が転倒したり、破壊されることが無かったので、まだ被害が抑えられた方だといえます。
今回、原子炉も地震での直接被害が、今になって騒がれていますが、原子炉本体も免震構造になっていれば、原子炉を冷却できたのではないか、少なくともメルトダウンを遅らせ、ここまでの被害拡大を防げたのではないかと云われ始めています。

免震構造は、告示によりゴム免震。滑り免震。転がり免震の三つのタイプに分類されています。ゴム→滑り→転がりの順番に摩擦係数が低くなって行き、建物の重量によって使い分けがなされています。
鉄筋コンクリート造の様な重い建物には、摩擦係数の大きいゴム免震が有利で、木造住宅の様に軽い建物には転がり免震が適しています。

耐震構造や制震構造は地震の揺れを直接建物に伝えてしまいます。地震計をセットした建物を震度7の地震で揺らせて見ると、耐震構造の一階は震度7、二階部は震度7の1.5倍程度の揺れを観測します。制震構造でも一階・二階共震度7で揺れます。
免震構造では震度7の揺れも震度4程度(地震の衝撃を1/10~1/16程度)に抑えます。免震構造は理論的には全く揺れなくする事も可能ですが、あまり敏感に反応させてしまうと、人が手で押しても揺れる家になってしまい現実的ではりません。転がり免震は建物を揺らす事よりも、固定する事の方が難しいのです。

カテゴリ 「●免震構造住宅」のコラム

縦揺れで家が潰れるか(2013/11/10 23:11)

失礼な電話(2013/09/18 08:09)

カテゴリ このコラムに関連するサービス

メール相談 新築・増改築のご相談

住宅性能表示制度や長期優良住宅やエコポイントにも対応する、環境とお財布に優しい住まいの提案

料金
無料

経済的な熱損失計算(性能基準)で、次世代省エネ基準を取得できる提案をします。
構造等級3を基本にご相談いたします。木造三階建て等で行う応力度計算も自社で行いますので、意匠と構造の齟齬がありません。
また、IAU型免震住宅設計資格取得者として、免震住宅等の相談も行っています。

新築・増改築のご相談
プロフィール評価・口コミ対応業務経歴・実績連絡先・アクセスサービスQ&Aコラム写真