青山学院大学大学院の町田教授の週刊経営財務(No3046号)への寄稿の中の興味深い視点を書いています。
今までの粉飾事件などで、監査法人にまったく責任がないわけではないが、最終的な責任を監査法人に追わせすぎではないか、というものです。
町田教授によれば、日興コーディアル証券が連結外しという有価証券報告書の虚偽記載を行った際、会社は5億円の課徴金を支払っただけです。
一方で、監査人のみすず監査法人は、処分されなかったにもかかわらず自主的に解散を決めています。
また、三洋電機の場合、会社が830万円の課徴金に対し、監査人4名に対して、2名に2年の業務停止処分等にしたそうです。
今回のオリンパスでは、まだ、あずさ監査法人と新日本監査法人に対する処分等は明らかにはなっていませんが、オリンパスに対しては「上場契約違約金」1000万円と言われています。
このように、粉飾決算を行った経営者よりも、粉飾決算を見抜けなかった監査法人への処分の方が厳しいですね。
しかし、決算書を作成するのは、会社の経営者であり、決算書に対して、第一義的に責任を負うべきです。
実際の処分内容もそうですが、世間の監査法人に対する風当たりの強さも、会社や経営者への視線と比べると、相対的に厳しいように感じますね。
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このコラムの執筆専門家

- 森 滋昭
- (東京都 / 公認会計士・税理士)
- 森公認会計士事務所 公認会計士・税理士
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監査・税務・ビジネス、”3つのキャリア”で、約20年。 その間、いつも「決算書の数字の奥にあるものをみる!」感覚を研ぎ澄ましてきました。 だから・・・ベンチャーから上場企業まで、あなたの会社の、一番の社外サポーターに!
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