やりながら自戒した「コミュニケーション研修」
-
あるお客様にて新人研修をお手伝いさせて頂いています。ビジネススタンス、マナー、スキルといった分野毎にいくつかのテーマを挙げて、その基礎的な所を学んでもらっています。
先日は「コミュニケーション」をテーマにした内容で実施しましたが、その内容の概略は「傾聴」の重要性を知り、その技法を学んでより円滑なコミュニケーションができるようになってもらうこと、また相手に合わせることに偏りすぎたり一方的に聴いたりするばかりでなく、言い方や伝え方を考えて「適切な主張行動」につなげてもらうというものです。
この「適切な主張行動」という部分は、他人に向かう時の行動パターンとして、
1.言うべきことを言わずに我慢する、見て見ぬふりをするなどの「非主張行動」
2.言い過ぎて相手を犠牲にする、相手の事情は考えず一方的に主張する「攻撃行動」
3.相手を尊重しながらも言うべきことははっきり伝える「主張行動」
の3つがあり、1.でも2.でもなく、3.を適切に行うにはどんな言い方、伝え方をしていけば良いかを考えるというものです。
コミュニケーションをテーマにした研修をしていると、どうしても話の聴き方(傾聴)という部分が強調され、うまく相手に伝えるための「適切な主張行動」というところが希薄になりがちなので、今回はこの部分に少し時間をかけたのですが、自分が講師の立場でまとめながらも、「自分でもまだまだうまくできないことも多いな」と自戒することが多々ありました。
私は基本的な考え方に「人は人、自分は自分」というようなところがあって、そうするとちょっとしたことで見て見ぬふりの傾向があったり、やっぱり家族などが相手だと甘えや気安さがあるのか、少し一方的な言い方をしてしまうことがあったりします。
「人には指導しているくせに……」という感じなのですが、やっぱりどんなに意識していても常にできる訳ではありません。「知っている」のと「できる」のは違うということを改めて感じます。
自分で研修している内容を自分でも改めて学んでいるという、とてもおかしな状況なのですが、「人生は常に勉強だ」「謙虚に反省」という言い訳で解決しておこうと思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。
「社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集」のコラム
「カリスマリーダー」は配慮が細かいという話(2024/01/31 23:01)
「うちは特別だから」という会社の話(2024/01/10 22:01)
メリットだけではない「離職率の低さ」(2023/12/06 23:12)
「いつでも機嫌が良い」というリーダー資質(2023/11/01 16:11)
「根気の続かない人」と「融通が利かない人」(2023/10/19 13:10)
このコラムに類似したコラム
高くなっている気がする「身内」と「他人」の壁 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2014/07/08 08:00)
「自力でできること」と「どうしようもないこと」の区別 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2023/08/17 08:32)
「威圧するリーダー」のメリットは何か 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2023/05/10 18:18)
あるCEOが語った「若い社員への“違和感”」に対する”違和感” 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2023/03/01 22:03)
「キレる高齢男性」とコミュニケーション力 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2023/02/15 22:34)