最近は“従業員満足”ということの重要性が言われます。株主至上主義などは極端にしても、社外のステークホルダーの発言力が強まる中で、社員を軽視しがちな傾向を感じている私自身も、その重要性には強く共感しています。
では社員を満足させれば、“やる気”は高まるのでしょうか。
成果行動を生むパターンとして
意欲 → 行動 → 成果 → 達成感 →(意欲)
のサイクルがあります。ここでいう意欲が“やる気”ということになりますが、“やる気”を生み出す要素の一つに「現状不満に対する変革意欲」があります。満足させれば良いわけではないと言うことです。
ただし“やる気”を継続できるかは、成果、達成感を得るところまで到達できるかが、特に重要になります。うまく行かないことが繰り返されれば、やがてやる気は喪失します。周りが非協力的だったり、ハシゴをはずしたりするようなことがあればなおさらです。このパターンで一度やる気を失うと、よほどのきっかけがない限り二度と火はつきません。せっかくの能力を埋もれさせる事になってしまいます。
従業員満足といってもいろいろな要素があります。仕事内容、人間関係、待遇、将来性、その他・・・。すべてを満足させることはまず無理です。不満は常にあるものと考え、それを前向きに解決しようと行動する人を肯定してサポートする風土を作ることも“やる気”を高め、結果として社員満足度は向上していきます。現状不満も前向きなパワーとして活かしていくことができるはずです。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。
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