“やる気”とは進んで物事をやり遂げようとする気持ちです。その事柄をやらなければならない目的や理由を自分なりに理解し、共感、納得することで初めて行動に移すことができます。
しかし組織、集団で何かをやろうとする時、必ずしもメンバーから納得を得られることばかりではありません。「必要性を感じない」、「目的が理解できない」、「うまく行く方法と思えない」等。そんな時、組織、集団を束ねるリーダーは、メンバー達にいろいろな角度からアプローチします。多くの場合はできるだけ論理的に、理路整然と話して納得を得ようとします。このようなコミュニケーションは非常に大切ですが、人が共感、納得するには感情的な側面が多くを占めていることも理解しておく必要があります。「あの人に言う資格はない」、「言う通りにしたけど裏切られた」、「えこひいきされた」、「どうせ自分はやらないくせに」等。論理的には筋が通っていても、組織やリーダー自身の過去の行動、信頼性や人間性によって納得を得づらくし、メンバーのやる気を阻害していることも多いのです。逆に言えば論理的にまったく筋が通っていなくても、本人が納得さえすれば“やる気”を持ち、行動につながります。「あの人に頼まれたら断れない」、「信じてついて行こう」などが極端な例です。要は“人間力”ということです。これは組織そのものやリーダー自身の過去からの積み重ねに左右されます。社員のやる気を高めていくには、組織の持つ“人間力”を常に意識していくことが必要です。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。
「社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集」のコラム
誰でも陥る「人物評価の思い込み」(2024/04/03 23:04)
「目指したい上司」がいる幸運といないことの当たり前(2024/03/06 14:03)
注意が必要と思う「生産性が低い」という指摘(2024/02/21 18:02)
「失敗」「挫折」の体験は成長に必須か?(2023/10/26 09:10)
問題は「閉鎖的な組織環境」でエスカレートする(2023/10/11 22:10)
このコラムに類似したコラム
「いつでも機嫌が良い」というリーダー資質 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2023/11/01 16:00)
「自力でできること」と「どうしようもないこと」の区別 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2023/08/17 08:32)
「やる気が出ない理由」を解決するとやる気が出るのか 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2018/05/22 08:00)
リーダーに必要な「論理」と「感情」の使い分け 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2016/10/18 08:00)
意見を匿名にしたがる若手社員 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2013/10/29 08:00)