私は成果主義に対しては肯定的な考えですが、様々な所で見聞きする制度の運用については、問題が多いと感じています。短期的な結果第一主義に陥っている事があまりにも多いからです。この場合の労務管理はほとんどがノルマ管理的であり、「就業意欲を高めるために制度を見直した」とする企業側の言い分に大きな矛盾を感じます。
私が今の成果主義に必要と考えているのは“成果の定義”と“プロセスの評価”です。
成果というと売上、利益となりがちですが、部下育成、顧客開拓といった数字に表れづらい事も広い意味では成果です。自社にとって何を成果と見るのかを共通認識する事が“成果の定義”です。
また結果の評価は、数字を見れば誰でもある程度出来ますが、“プロセスの評価”は現場の業務や周辺事情を良く知らなければ出来ません。評価する者の負担になるため疎かになっているのかもしれませんが、社員の意欲を高めるためにはとても重要な事です。
株価を維持し、経営を安定させるには短期業績を追うしかないという話を聞きます。本当にそうだとすれば、働く者にとってあまり喜ばしい事ではないと思います。明るい将来を感じながら働く事ができるようにならないものでしょうか。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。
03-4590-2921
「社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集」のコラム
誰でも陥る「人物評価の思い込み」(2024/04/03 23:04)
「目指したい上司」がいる幸運といないことの当たり前(2024/03/06 14:03)
注意が必要と思う「生産性が低い」という指摘(2024/02/21 18:02)
「失敗」「挫折」の体験は成長に必須か?(2023/10/26 09:10)
問題は「閉鎖的な組織環境」でエスカレートする(2023/10/11 22:10)