昨日からの続き、何故昨日の節税策がダメなのか?
その理由は「資金繰り」という観点にあります。
実は前日までの例において、意図的に加えていなかった数字があります。
それは現預金の残高です。
決算期直前の現預金残高 500
売上 1,000
費用 600
利益 400
税率 40%
税金 160
節税策をしなかった場合、現預金残高はいくらになるでしょうか?
500 △ 160 = 340
つまり、元々500あったお金から160の税金を支払ったわけです。
さて、では昨日の節税策をやるとどうなるのか?
決算期直前の現預金残高 500
売上 1,000
費用 600 + 400(保険加入分)
利益 0
税率 40%
税金 0
税金は確かに減りましたが、では現預金残高はどうなったでしょうか?
500 △ 400(保険加入分) = 100
もともと500残っていた現預金から、400を保険料支払いに使ったので
手元に残っているのは100だけになりました。
節税をしなければ340残っていたお金が、100に減ってしまったのです。
これが多くの節税策に欠けている観点です。
この項、明日に続く。
いつもお読み頂き、ありがとうございます。
このコラムの執筆専門家
- 高橋 昌也
- (税理士)
- 高橋昌也税理士・FP事務所 税理士
「税務×経営コンサルティング」の複合サービスを提供します
節税だけ考えていては事業の根幹が危うい時代。当事務所は、税務・会計はもちろん、マーケティングや経営戦略提案にも強みを発揮。とくにキャッシュベースの経営を重視し、小規模事業体が「いかにキャッシュを毎月手元に残すか」のアドバイスを行います。
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