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佐藤 広一
佐藤 広一
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「評価制度」でやる気を失い、業績を下げているという話

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 お勧めの取り組み

 会社がある一定規模を超えると、“評価制度の導入”というテーマが必ず出てきます。

 業務状況や成果などの評価を行って、その結果を給与ほか他の処遇に反映すること、優秀な人材の確保、モチベーション向上、人材育成などにつなげようという意図であることがほとんどです。

 「評価制度」に限らず、社内で運用されるさまざまな制度には、当然メリットもデメリットもあります。その運用を進める中でメリットを大きくし、デメリットを少なくするような改訂、見直しを行っていきます。中には制度そのものを廃止するということもあります。


 これが「評価制度」の場合、今までは少なくとも廃止という選択がされることはほぼありませんでした。社員のやる気を向上するためには、社員一人ひとりを評価することが絶対に必要で、そのために評価制度は不可欠であると考えている企業がほとんどだったということでしょう。


 ただ数年前から、この「評価制度」が、実は社員のやる気を失わせて業績を下げる原因になっているということが言われ始めており、実際に年次評価をやめる企業が、有名外資を中心に出てきています。

 少し前の話ですが、例えばアメリカのある有名IT企業では、社員を5段階で正規分布にランク付けする評価制度をやめて、チームワークを重視した制度に変えたという話がありました。


 正規分布ということは、一定数の社員に必ず「成績不振」という最低評価を指定しなければならないわけですが、これは社員のやる気を引き出すことにはつながらずに不安をあおるだけであり、さらに部下からの評価を得たい上司による甘い評価や、みんな同じの一律評価、気に入った部下へのえこひいきなどがあったそうです。

 すべての評価を止めた訳ではありませんが、社員個人の成績評価を止めたということでは、多くの会社で一般的に行われている評価制度の基本的な部分を変えたということでは、かなり思い切った方法だといえるでしょう。


 他にも、細かいサイクルでの目標設定とフォローを繰り返すことで、個人のパフォーマンス向上を目指す会社や、評価に費やす時間が長すぎるとして、その分の時間を社員面談重視に転換した会社など、いろいろな形が出てきています。


 私も、評価制度に関してご相談いただく機会は多く、そのほとんどは「公正な評価とそれに見合った処遇ができる制度」と言われます。ただ、ここで言っている“公正な評価”も“見合った処遇”も、あくまで会社の都合から見たものです。私が考える“企業の評価制度”での最大の問題は、「社員たちが公平に評価されていると思っていない」ということです。


 もしも、社員の給与が職務給や役割給のように、この仕事はいくらと給与額が決まっていたとすれば、評価制度の意義は、モチベーション向上や人材育成に限られてきます。

 それぞれの社員が持っている仕事上のテーマや役割、できたことやできなかったことに対するフィードバックをし、それを次のテーマにつなぐことが重要になりますが、これは面談制度ほかのコミュニケーション施策なので、その人の取り組みテーマにかかわりが薄い、一律の項目に基づいて評価することにはあまり意味がありません。そうなれば、評価制度は、別になくても良いという発想になるでしょう。


 「評価制度」が社員のやる気やモチベーション向上につながるのは、良い評価が下される、その内容が的確であるなど、評価結果に本人も納得して前向きにとらえた場合に限られます。悪い評価は一時的に反骨心を生むことはあっても長続きしませんし、大半の人がもらう“平均的”な評価では、あまりやる気にはつながりません。

 「評価制度」を精緻に運用した結果、負担が増して制度が形骸化してしまうような会社が見られます。評価制度を止めるところまでは行かなくても、根本的に発想を変えた取り組みが必要になってきています。



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