- 福味 健治
- 岡田一級建築士事務所
- 大阪府
- 建築家
-
06-6714-6693
対象:新築工事・施工
一度は聞かれた事のある定説です。ホントでしょうか?
根拠はマンション等の間取りでトイレ・洗面・ユニットバス・キッチンが近接しているとこからでしょう。マンションは、上下左右に隣室が密着しています。密着して余剰スペースが無いところに、何処からか水道管やガス管・排水管を通さなければ、トイレもキッチンも機能しません。
そこで、一階から最上階まで縦に通る設備配管スペース(PS)が必要となるのです。間取りの中にPSがあればそこに配管を横引きして繋げてやれば、何処にキッチンやトイレを造っても立派に用を足せます。
但し、この横引きの配管がクセ者です。先程も書きましたがマンションは四方が隣室です。排水管等を横引きしようと思えば、床を二重にして床下を設けて通してやる必要があります。横引きする距離が長くなるほど、二重の床を造る面積が大きくなり、それが費用の増大を招くのです。そのために水回りを集中させて、二重床を造る面積を最小限に抑えているのです。
マンションでは水回りは集中させてやると安くなる事は判りました。では戸建住宅はどうでしょう?
集中させると安くなるのでしょうか?
戸建住宅には床下があります。元々二重床の構造になっています。床下に配管を通せますので水回りをバラバラに配置しても値段に影響しません。配管が延びてパイプの費用が高くなりますが、パイプの値段は1m当たり300円前後の話しです。10m延ばしても3000円です。大きな工事金額に対して3000円節約するために、不便な間取りになるのを覚悟で、水回りを集中させるメリットなんて何もありません。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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