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不動産業者も見落とす、物件購入の落とし穴‐【16:重要事項説明書の枚数】

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物件購入の落とし穴 不動産購入トラブル

不動産業者も見落とす、物件購入の落とし穴‐【不確定な契約条件の注意点/重要事項説明書の枚数】

 

前回、前々回と契約内容のチェックポイントを紹介していますが、

契約書や重要事項説明書に記載や説明が義務付けられている項目は、

 業法で定められている最低限のものだけでも、以下のようなものがあります。

 

 ■重要事項説明記載事項

・記簿に記載されている事項

【面積の確認、売主の確認、抵当権の確認など】 

・令に基づく制限

【都市計画法、建築基準法、建ペイ率、容積率、道路の扱いなど】

・道負担に関する事項【私道負担の有無】 

・上下水道・電気・ガスの供給施設の整備状況【全面道路及び宅地内配管の有無】

・未完成物件の場合に記載される事項【外観・内容仕様設備の確認】

・代金、貸借等以外に授受される金銭の額及び授受の目的【手付金、登記料など】

・契約解除に関する事項【手付解除。契約違反による解約、ローン特約など】

・損害賠償の予定または違約金に関する事項【損害賠償、違約金の予定額】

・手付金等の保全措置の概要【手付金等の保全措置の有無など】

・支払金または預かり金を授受する場合の保全措置の有無 

・住宅ローンの斡旋の内容及び住宅ローンが不成立の場合の措置

・割賦販売の場合の説明など

 

■売買契約書

・売買の目的物の表示

・売買価格

・売買対象面積の取決め

・手付金の額と性質の取決め

・代金の支払い時期およびその方法の取決め

・所有権の移転・引渡し・登記の時期の取決め

・抵当権などの登記の抹消の取決め

・公租公課の取決め

・瑕疵担保責任の取決め

・設備・備品などの取決め

・危険負担の取決め

・契約違反による取決め

・宅地建物取引主任者の記名・押印

 

 

項目的は多い様に感じますが、よく見れば契約事項に関する表面的事項が多く、

本質に迫った内容ではありません。

 

本来、もっと説明をしなければならない事項の多くあり、その記載がないばかりに

大きなトラブルに見舞われるケースが増えているように思います。

 

 

当社アドキャストでも、契約書チェックという業務を行っており、

当然、他社様が作成した契約書、そして契約前に説明義務のある

重要事項説明書をチェックし、調整や再確認が必要ないかを見極め

ていくのですが、中にはひどい内容のものがあります。

 

通常、説明すべき項目や、その他の購入後に気になるであろう大まかな

ポイントを記載した重要事項説明書であれば、5~7枚くらいにはなります。

 

 

それが1枚や2枚という場合です。

 

 

実際にチェックした、1枚の重要事項説明書には、

日影規制の内容が記載されていない、占有に関しての記載がない、

法令制限に関しては項目自体が足りていないなど、業法上の最低限の

内容が記載されていない項目が他にも多数あります。

 

このような場合、「不動産のプロ」より「不動産を売るプロ」という風潮が

強い業者に多く見られます。

 

一生に一度の買い物という消費者意識に対して、一度切りのお客様という

業者都合が横行し、言わなくてよい事は伝えられていなかったり、

ひどい時は知らなかったフリをしているケースも見受けることがあるのです。

 

契約事項のトラブルとして多いのは、記載してない事実についての争点や、

責任所在が曖昧である場合です。

 

曖昧なことや、解らないことを自分に都合良く勝手に解釈したり、

「信頼する・しない」の次元ではなく、トラブルがあった場合に

どちらにも採れるような事は避けておくべきです。

 

こういった説明される書面の中身もさることながら、そもそもの枚数が

極端に少ない場合は、その業者の仕事に対する姿勢から注意が必要ということです。

 

 

「契約書や重要事項説明書は、契約日当日に初めて見た」

「契約直前に説明された重要事項説明書に押印した」という、

十分な理解がないまま契約となっている状況も、トラブルを生む

原因のひとつなので、最低限、契約の前日には契約書などを

貰うようにしましょう。

 

極端に枚数の少ない重要事項説明書などの不安があれば、

「不動産のことは素人」だからと全てを業者任せにせず、

コンサルタントなどに相談・書面チェックを依頼する

くらいの慎重さが必要と考えます。

 

 

 

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株式会社アドキャスト 代表取締役

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売ってしまえば終わり・・・になりがちな不動産業界の現状に疑問を抱き、不動産購入には欠かせないお金の勉強をスタート。FP資格を取得。住宅購入に向けての資金計画、購入後の人生設計までトータルにサポートする「一生涯のパートナー」を目指しています。

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