- 平岡 美香
- フードコンサルティング株式会社 マーケティングアドバイザー
- 東京都
- マーケティングプランナー
対象:飲食店経営
- 平岡 美香
- (マーケティングプランナー)
ボツリヌス菌は、土の中にいる殺人鬼と言われるほど土壌に広く分布して
おり、海や湖の泥の中にもいます。
瓶詰、缶詰、真空包装食品など、酸素が含まれない食品中で増殖し、強い
毒素をつくります。
芽胞は特殊な構造をしているため長時間煮沸しても死なず、致死率の高い
恐ろしい細菌として知られています。
ボツリヌス菌の特徴としては、芽胞は熱や消毒薬にも強い抵抗力を示します。
自家製の海産物や、保存状態の悪い瓶詰などから感染します。海外みやげの
真空パックされた魚の燻製や、酢漬け、塩漬けなどは特に注意が必要です。
また、長期間流通する食品が原因となることもあります。「要冷蔵」などの表示
のある場合は、必ず冷蔵保存して期限内に消費してください。
今回は、実際に起こったボツリヌス菌による食中毒の事例をご紹介いたします。
≪事例②「からしレンコン」≫
★発生
「からしレンコン」を買って食べた計9人が食中毒にかかって入院し、下痢や嘔吐、
目のかすみ、言語障害などボツリヌス菌特有の重い症状を訴えた。その後、患者
は広範囲に増え、36人がボツリヌス菌に感染し、その内11名が死亡。
患者の共通食は、同一業者が製造した「からしレンコン」。患者並びに同食品から
ボツリヌス菌が検出されたことにより、これによる食中毒と判断される。
★発生するまでの過程
①冬から春に収穫したレンコンを洗浄切断し、真空パックにして冷蔵保存した
ものを順次庫出して使用。
②製造業者は、辛味が足りないとの理由で生からし粉を工場に特注、入荷している。
★原因の可能性
①なんらかの特殊な事情でからし粉にボツリヌス菌の微量汚染がおこり、これを使用
した真空パック「からしレンコン」が菌発育に好適であり、流通過程で常温相当期間
の後有毒化が進んだために生じたものと考えられます。
②芽胞菌の危険性を理解せず、加熱済み、真空パックだから大丈夫という過信が
原因の一つとも考えられます。
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