食中毒対策マニュアル<簡易版> - 飲食店のオペレーション - 専門家プロファイル

平岡 美香
フードコンサルティング株式会社 マーケティングアドバイザー
東京都
マーケティングプランナー

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杉山 春樹
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閲覧数順 2024年04月18日更新

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食中毒対策マニュアル<簡易版>

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 ニュースでも、ほぼ毎日のように出ていますが、そもそも食中毒の原因は外にあるのではなく、私達の油断の中にあります。皆さんのお店から食中毒を出さないように、常に注意を払いましょう。

 

―食中毒のタイプ―

 

◆毒素型

 ・ブドウ球菌:おにぎり、寿司、お造りなど(皮膚常在菌が食品へ移り食品表面で繁殖)

 ・ボツリヌス菌:醗酵食品、真空パック商品(毒素自体は熱分解しやすい)

 

◆感染型

 ・腸炎ビブリオ:イカ、あじ、たこ、未加熱魚介類(海水にて常在菌)

 ・サルモネラ菌:蓄肉、鶏肉、鶏卵(夏期に多く発生。熱で分解) 

 ・カンピロバクター:牛、豚、鶏肉、生乳、牛刺(生食がリスク)

 ・病原大腸菌:人、動物、サラダ(水洗い、手洗い行為で予防可能)

 ・ノロウィルス:汚染された二枚貝といわれていますが、食中毒事例のうち約7割は原因食品が特定できていません。

           このため、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱しましょう(冬季に多く発生しています)

 

―食中毒予防の三原則―

 

<1>付着させない(清潔な状態を保つ)

  生の魚介類や肉類には食中毒の原因となる菌が多く付着しています。そこで盲点となるのは、これらを加工調理した器 具に付着した菌です。調理作業をする前には、次の4つの項目を必ず守りましょう。

   ・手洗いを必ず行うこと。

   ・食材を水洗いすること。

   ・まな板は水洗いをして作業別(魚介類・野菜類・肉類)にまな板を変える。

   ・調理器具は調理前に、洗浄をしてから使用すること。

 

<2>増やさない(迅速な取り扱い・冷却・乾燥)

  食材を冷蔵・冷凍することは、原因菌の増殖を抑えるのに非常に効果的です。一般的には、10度以下で菌の増殖は鈍り、-15度程度で増殖は停止すると言われています。

  冷蔵庫に食材を大量に詰め込まずに、冷気が庫内を循環できる状態で食材を保管するようにしましょう。

 

<3>殺菌(加熱する、酸をかける、香辛料を活用)

  細菌を不活性化させるのに最も効果が高いのは、加熱することです。食中毒の原因菌の多くは75度以上の環境で1分以上経つことで不活性化します。

  大きな食材では食材の中心の温度が75 度以上で1分以上加熱しないと、菌は死滅しません。

  また、酸(酢など)で殺菌を行うことも知られています。特に生の魚類は酢やレモン汁をかけて食べると、おいしさが増すだけでなく、殺菌効果が高くなります。

  このほか、ワサビや胡椒、唐辛子などの香辛料にも殺菌効果があります。特にワサビは、辛みの主成分であるイソチオシアン酸アリルに強い殺菌作用が含まれています。

 

―調理過程における予防―

 

<1>食材の仕入れ時

  ・肉や魚介類、卵、野菜などの生鮮品は新鮮なものを選ぶ。

  ・消費期限の表示があるものは、期限内であることを確認する。

  ・肉や魚等の水分が漏れないように別のビニール袋に包む。

  ・冷蔵・冷凍が必要な食品は、できるだけ買い物の最後にする。

 

<2>食材の保存

  ・冷蔵・冷凍が必要な食品は、持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に保存する。

  ・肉や魚等は、ビニール袋や容器に入れ、ほかの食品に肉汁がかからないようにする。

  ・冷蔵庫や冷凍庫に詰めすぎないよう注意する。

 

<3>下準備をするとき

  ・生肉や魚介類、卵を触った後や、トイレに行った後などは必ず手で洗う。

  ・洗うことのできる食材は、よく洗って使用する。

  ・包丁やまな板は、肉、魚用と野菜用とに使い分け、使用後はよく洗う。

 

<4>料理時

  ・まずは手洗い。タオルや布巾は清潔なものを使用する。

  ・加熱調理する食品は、中心部まで十分に加熱する。

  ・清潔な手で、清潔な器具を使い、清潔な食器に盛り付ける。

 

<5>料理提供時

  ・お客様には温かい料理は温かいうちに、冷たい料理は冷たいうちに食べていただく。

  ・調理前、調理後の食品を室内に長く放置しない。

  ・食べ方に注意(焼肉やすき焼きは、生肉に使う箸と食べる箸は別々に)。

 

<6>料理が残ったとき

  ・残った食品は、清潔な容器に移し替え、蓋をして冷蔵庫等に保存する。

  ・早く冷えるように浅い容器に小分けする。

  ・残った食品を温め直すときは十分に加熱する。

  ・時間がたって食品のにおいや味が怪しいと感じたら、思い切って捨てる。

 

―効果的な手洗いを実践しましょう―

 

1.手洗いのタイミング

  ・作業開始前&トイレの後

  ・下処理など汚染作業から調理・盛付など非汚染作業に移動する場合

  ・食品に直接触れる作業にあたる前

  ・生の食肉、魚介類、卵などの微生物の汚染源となる食品に触れた後

 

2.手洗いの方法

  ・爪を切り、指輪・腕時計はずしてから、水で手を濡らし、石鹸をつけてよく泡立てる。

  ・指から腕を洗う。特に、指の間、指先を洗う。(30 秒程度)

  ・石鹸を洗い流す。(20 秒程度)

  ・ペーパータオル、温風乾燥機等で乾かす。

 

 

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