交際費は、会計上の費用でありながら、
法人税においては、原則として全額が損金(法人税法上上の費用)になりません。
つまり、交際費を支出しても、課税される利益は減らず、
税金対策としての費用にはならないということです。
これを交際費の損金不算入といいます。
しかし、交際費が法人税において費用にならないからといって、
交際費を支出しないというわけにはいきません。
円滑な事業活動を行うためには、交際費の支出は必要不可欠です。
そこで、日本の企業の99%を占めるといわれる中小企業については、
交際費の大部分を損金算入することが認められています。
現行法では、資本金の額が1億円以下の法人(中小法人)については、
支出交際費のうち600万円までの金額は、その90%を損金算入することができます。
全額を不算入にされるよりはましですが、600万円までの部分についてはその10%が、
そして600万円を超える部分についてはその全額が損金算入されません。
平成25年度の税制改正では、中小企業支援のため、
中小法人の交際費課税制度が緩和されることになり、
支出交際費のうち800万円までの金額は、その全額が損金算入できることになりました。
例えば、資本金1,000万円の法人が、交際費を年1,000万円支出したとした場合、
改正前であれば540万円(600万円×90%)しか損金算入されませんが、
改正後は800万円(800万円×100%)が損金算入されることになります。
この場合には、実に260万円損金が増加し、実効税率が30%だとした場合、80万円近い減税効果があります。
なお、今回の改正の適用開始時期は、現時点では不明ですが、
平成25年の税制改正により、早ければ平成25年4月1日から、
遅くとも平成26年4月1日から取り扱いが変更されるものと思われます。
このコラムの執筆専門家
- 大黒たかのり
- (東京都 / 税理士)
- 大手町会計事務所 代表税理士
資産運用と節税のことならお任せ下さい。運用会社出身の税理士。
今の運用に満足ですか。今の税金の支払に満足ですか。今の相続対策に満足ですか。不安な時代だからこそ、確かな情報と信頼できる相談相手が必要です。運用も節税もすべてオンリーワンのオーダーメイド。土日早朝深夜も対応する身近なパートナー。
「税金」のコラム
新NISA 海外転勤(非居住者) Q&A(2024/03/07 10:03)
2023年度税制改正大綱 コインランドリー、マイニング節税防止(2023/02/14 14:02)
2023年度税制改正大綱 暗号資産時価評価の見直し(2023/02/07 14:02)
2023年度税制改正大綱 スタートアップへの再投資非課税制度の創設(2023/01/31 14:01)
2023年度税制改正大綱 高所得者に対する課税強化(2023/01/24 14:01)
このコラムに類似したコラム
自家版租税教室:税金の計算 高橋 昌也 - 税理士(2018/03/28 07:00)
自家版租税教室:どんなバランスで負担している? 高橋 昌也 - 税理士(2018/03/24 07:00)
税制改正大綱 法人税 大黒たかのり - 税理士(2013/01/31 08:00)
法人税率と復興特別法人税 大黒たかのり - 税理士(2012/09/18 14:38)
税金が下がるのに赤字拡大 大黒たかのり - 税理士(2012/04/10 17:38)