八納 啓造(建築家)- コラム「「お金が残る家」という視点で・・・・」 - 専門家プロファイル

八納 啓造
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八納 啓造

ヤノウ ケイゾウ
( 建築家 )
株式会社G proportion アーキテクツ 代表取締役
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「お金が残る家」という視点で・・・・

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メルマガ「住むひと全てが幸せになる家造り」 2009-12-29 10:01

◇コラム 「お金が残る家」という視点で知っておきたい重要なこと



こんにちは、八納啓造です。
前回お話しした「お金が残る家と残らない家の黄金法則」はいかがでしたか?

資産家や億万長者の人がどのようにして資産形成をしているか?そして、
そういう人たちはどういう視点で住いを持つことなどを捉えているか?
という話をしました。今回はもう少しそれを掘り下げていきますね。

 ※読んでいない方は、よかったらバックナンバーをご覧ください^^

前回お話しした「お金が残る家」を手に入れている人の特徴として、

 ●長持ちする家程、コストパフォーマンスが高く好んでいる
 ●家を住む満足感は、ローンの残高と反比例しやすい
 ●住むエリアで、お金の残る家と残らない家に分かれることを知っている
 ●必ず、収入以下の支出で押さえる生活をしている
 ●多くの場合は、車にお金をかけない
 ●ブランド品よりも品質がしっかりしていてコストパフォーマンスの
  高いものを選ぶ傾向がある
 ●お金の専門家をチームに入れて、ライフスタイル全般から資産運用を
  考えている

などがあるとお話ししました。

この中でも住いに対して特に必要な視点の1つは「長持ちする家程
コストパフォーマンスが高く好んでいる」という部分でしょう。

海外では「家は不動産」という視点があります。
それに対して、日本人はその感覚が薄いようです。

なぜなら、持家は自分たちの所有物であり、人に貸すという感覚がない
からです。「人に貸すわけではないので、不動産という感覚は別にいら
ないんじゃないの?」という感じでしょう。

しかし、「家は不動産」という感覚は、家を人に貸すかどうか?という
視点以外にも大切な視点があります。

それは「家づくりで投資したお金がどれだけの資産価値を生んでいるか?」
という視点です。そしてそれは「長持ちする家」を指しています。なぜ
なら住宅ローンを払い終えてからは、その家にかかるお金が光熱費と
補修積み立て費ぐらいになるからです。

アメリカでは家の平均寿命が70年、イギリスで100年ぐらいという
話を聞いたことがあるひともいるでしょう。それに対して、日本の家の
平均寿命は25、6年というデータがあります。

この話だけを聞くと「欧米に較べて気候が違うから平均寿命が短いの
では?」と思う方もいますが、それは誤解です。欧米でも日本と同じ
ような四季がある地域や同じように湿度の高い地域もありますので
一概にそうとは言えません。

では、なぜ日本の家だけ平均寿命が短いのでしょうか?
それは日本の場合、「家は不動産」というよりも「耐久消費財」として
位置づけているからです。

耐久消費財とは「原則として想定耐用年数が1年以上で比較的購入価格が
高いもの」と定義されています。もう少し簡単に言うと「1年以上は持
つ消耗品」というイメージです。

そうです、日本では家を「消耗品」として考えられていて、「そのうち
買い替えが必要なもの」と位置づけられているのです。日本が高度成長期
時代に一家族に1つの家を!ということで普及した家ですが、ローコスト
にするために「25〜30年で新しく建替えてくれる程度の消耗品」と
して広がったのがことの発端です。

またそのサイクルで家を建て替えると、どんどん世の中の経済は循環
していくと、考えられていました。製品がリピートする業界は繁盛する
という考え方です。

耐久消費財は、その他には、エアコン、洗濯機などの電化製品や車など
がありますが、日本の家もその分類に含まれているのです。

これらの流れを汲んで、日本の家の寿命は25、6年というふうに
言われるようになったのです。この話を聞いてどのように感じますか?
住宅ローンを組んでも払い終わるころには、家の建替えか、大規模
リフォームを考えないといけないというのが今の日本の家の現状です。

じゃ、どうすればいいか?
現在、持家のある方はその家がしっかりと寿命を延ばす為にメンテ
ナンスをすることが重要です。「家はフリーメンテナンスが良い」
という考えが日本にありますが、海外では、「しっかりと手を入れる
ことで家をかわいがる」というのが普通のようです。

自分の体に例えると、自分の体をかわいがる方が体も元気でいて
くれることは感覚としてあるでしょう。家についてもおないことが
言えます。

そして、これから家を手に入れようと思っている方は「長持ちする
家」を意識することです。それは、耐久消費財としての家ではなく、
不動産としての家を手に入れるということです。

次回、長持ちする家とはどういうものか?をお話ししますね。
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