サラリーマンは、給与から所得税、各種社会保険のほか、住民税が天引きされます。
住民税は、その年の徴収額が毎年6月に確定し、
6月から翌年の5月まで、確定した徴収額を12分の1した金額
(6月分は、端数処理の都合上、少しだけ多い金額)が徴収されます。
ところで、平成24年度分の住民税は、先の6月から徴収されていますが、
昨年に比べて税額が増えたため、
給料の手取額が数千円から一万円程減ってしまって驚いたという声をよく耳にします。
これは、子ども手当の創設による15歳以下の扶養親族に係る「年少扶養控除」の廃止の影響です。
国税である所得税は、平成23年1月分の源泉徴収から、
年少扶養控除を適用せずに計算した税額が徴収されていましたが、
住民税は、翌年度課税であるため、平成24年度6月徴収分から
年少扶養控除を適用せずに計算されています。
年少扶養控除は、住民税では一人当たり33万円で、住民税の税率は10%であるため、
これが廃止されたことにより、15歳未満の子どもを養っている場合には、
子ども一人当たり33,000円住民税が増加します。
月額では3,000円程度手取りが減ることになり、
例えば、中学生までの子どもを3人養っているという場合であれば、
月額1万円も手取額が減ってしまったというわけです。
今回は、年少扶養控除を例にご紹介しましたが、
住民税が翌年度課税であることを忘れていると、思いがけず納税資金に困ることもあります。
たとえば、年収1,000万円であった人が、事情により年収が半減してしまった場合では、
収入は半分に落ち込んでいながら、前年の年収の1,000万円を基礎に
計算された高額の住民税が控除されることになります。
給与収入に変動があった場合だけでなく、不動産や株の売却など、臨時収入があった場合も、
翌年に納付する住民税の納税資金を準備しておく必要があります。
このコラムの執筆専門家

- 大黒たかのり
- (東京都 / 税理士)
- 大手町会計事務所 代表税理士
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