ある会社の新人研修の中で、この表題のようなお話をする機会がありました。
内容はすごく単純で、「仮に時給2000円の人が5人集まって1時間会議をすると、その会議は1万円かかっているよね。もし会議準備のために何かしていればその分の時給もあるし、もっと細かく言えば場所代、電気代、資料代などもいるよね。」というような話です。
さらに「粗利益率20%と仮定すると、1万円の利益を上げるには5万円の売上プラスが必要だよね」とか、「誰か一人のせいで開始が5分遅れたら、それで1000円くらいのロスだよね」というような話もします。
要は自分たちがなにげなく使っている時間にもお金がかかっていることを理解して、広い意味でのコスト意識を持ってもらうことが目的のお話です。
またこの話はもう少し続きがあって、例えば安い業者に乗り換えたらサービスの質が落ちて大口の顧客を失ってしまったとか、節電のために照明を消したら作業がしづらくなって不良品が増えてしまったとか(現状の必要な節電を否定しているわけではありません)、単に節約と称して目先のコストだけに注目してしまうと、その影響が違う形で出てしまうことがあり、何事も目先の事情だけでなく、広い視野でどんな影響があるのかを考えて、総合的に判断する必要があるということも話します。(特に今の若い世代は、根底に「消費はよくないこと」という心理があるので、あえてこんな話をします)
このように、身近なことをいろいろな形でお金に換算してみると、「ムダな会議」、「ムダな経費」などと何となく思っていたことが、改めて明確に捉えられるように思います。
たまには自分でもこんな見方をしてみると、周りを見直す良い機会になるのではないかと思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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