組織が拡大するとともに、会議の数が増えていくのはある程度は仕方がないことです。ただ、顔ぶれがほとんど変わらない会議がいくつもあったり、出席しても発言する機会がほとんどないような会議は、あまり有意義とは言えません。
組織運営上の課題で、「非効率な会議」がテーマに挙がることは良くありますが、真面目に会議の中身を吟味しようとすると、「あれは必要だ」「これは減らせない」などの意見が出てほとんど削減できず、それならばと時間制限や人数制限、回数制限などを行ったりしますが、だいたいがしばらくするとなし崩しになってしまい、あまりうまく行くことがありません
企業文化によるところもありますが、会議の多さが当たり前になり、それに慣れてしまっているような会社を目にすることもたくさんあります。
ある会社で、「うちの会社は会議体が多すぎて困る」という発言を耳にしました。たぶん「ムダな会議が多い」という意味だと思いますが、この「会議体」はただの「会議」とは意味が異なります。
ご存知の方はご存知でしょうが、「会議体」は、複数の人がある目的のために集められ、その会議によって意思決定を行うという意味です。取締役会、株主総会など、決定事項があるものが「会議体」に該当します。
ですから、複数の人が集まっても、明確な決定事項がない会議は「会議体」ではないし、打ち合わせなども「会議体」には当たりません。また、ある責任者がトップダウンで意思決定するような会議も「会議体」ではありません。
企業内で「多すぎて困る会議」の大半は、時間ばかりかかって何も決まらない会議、初めから決定事項がない会議、目的が良くわからない会議ではないかと思います。これは「会議体」ではないただの「会議」です。
こうやってみていくと、「会議体」は組織の拡大とともにある程度増えていくものだが、ただの「会議」はそうとも言えないという感じがします。
ただの「会議」と「会議体」の違いをしっかり認識してみると、少しはムダな会議を整理することにつながるのではないかと思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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