子供の学校の運動会に行ってきました。小学校の運動会は今年が最後です。今回はその時のお話です。
徒競走で審判役の子がいました。その子の目の前で、走りながら帽子を飛ばしてしまった子がいました。審判役の子は帽子を拾いましたが、一瞬どうしたら良いか迷っている様子でした。たぶん、持ち場を離れてはいけないということと、帽子をどうすれば良いか、自分で手渡そうか誰かに頼もうか、いろいろ考えたのだと思います。結局周りに頼める人もおらず、その子はゴールした帽子の持ち主の子に向かって恐る恐る走っていき、自分で手渡していました。
急いで走って戻ってきたその子は笑顔でした。別の審判役の子と何か言葉を交わしてうなずいています。もしかしたら帽子の子にお礼でも言われたのかもしれませんし、別の審判役ともこれで良かったのだと確認し合ったのだと思います。
次の組で走った子の中にも、同じように帽子を飛ばしてしまった子がいました。今度は素早く帽子を拾い、ダッシュで届けて持ち場に戻りました。最初からすれば3分の1くらいの時間でした。
小さな出来事ですが、「人は自分の行動に確信が持てれば素早く行動できるようになる」ということの一例で、確信を持つ過程にあったのは「否定されない」、「感謝される」、「確認し合う」ということでした。他にも「褒められる」などがあるでしょう。
仕事の上でも、部下や後輩に良い行動、素早い行動を促して定着させるためには、本人に「これでいいんだ」という確信を持たせることが必要で、特に自主的な行動に対しては助言と指導が重要だと思います。もしそれが良い行動だったならば、本人がそれを認識できるようにしてやれば、次に同じ事が起こっても「こうすれば大丈夫」という確信につながると思います。自主的に行動できるようになり、いちいち指示する必要もなくなります。
良く言われることですが、「肯定する」、「褒める」、「感謝する」などというようなことを意識して行うことがやはり重要だと、今回のちょっとした出来事の中で改めて思っています。(実際にやるとなると難しいことではありますが…。)
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
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