ある会社で行った研修でのことです。
テーマは「フォロワーシップ」ということで、自分自身が部下でもあり上司でもある中堅層の人たちを対象に、主に上司との関係作りを考えてもらう内容だったのですが、その時の受講生だったリーダークラスの女性が、その後お会いしたときにこんなうれしい話をしてくれました。
「あの時言われたことを参考に、部下にとってどんな上司だったら良いのかを意識して、部下との接し方を変えてみたのですが、やってみたら相手の反応が今までと全然違ってきたんです。できるだけ自分から声をかけるとかやったことは一般的なことですが、今までなかったような会話ができたり、向こうからもコミュニケーションを取ってくるようになったりと効果がありました。これからも続けてみようと思います。」
私がコミュニケーションとか他者との関係作りの研修をした時に必ずお伝えする内容として、「相手を変えたければ、まず自分が変われ」ということがあります。相手の非や弱みを一方的に責めても、その理屈がいくら合っていても、人はそう簡単には変われない(人は感情の生き物だから)、自分が行動や接し方を変えて相手に歩み寄ると、自然と相手も変わらざるを得なくなる、というような話ですが、この方はこれをご本人なりに実践してくれたということなのだと思います。
研修した内容について、こんな具体的な形でしかも短期間のうちに、「効果があった」などと言って頂けることは実は案外少ないものですが、自分が手助けしたことが役に立ったなどと言って頂けると、やはりとてもうれしいものです。そう言って頂けることが増えるように、私もさらに精進しなければいけないなと思っているところです。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
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