- 佐藤 昭一
- NICECHOICE 佐藤税理士事務所
- 東京都
- 税理士
対象:会計・経理
経済産業省より公表されているLLPに関する40の質問と40の答えを参考にして、LLPに関する情報を紹介します。
問4.構成員課税とは何か。
答え
1.構成員課税とは、組織段階では課税せず、出資者に直接課税する仕組みです。
2.構成員課税の効果としては、LLPの事業で利益が出たときには、LLP段階で法人課税は課されず、出資者への利益分配に直接課税されることになります。
3.また、LLPの事業で損失が出たときには、出資の価額を基礎として定められる一定額の範囲内で、出資者の他の所得と損益通算することができます。
解説
LLPのメリットは3つあると言われています。1つは有限責任、2つ目は内部自治の徹底、3つ目が構成員課税です。
この3つのメリットのうち、一番大きいと個人的に思っているのがこの構成員課税になります。
法人を作って事業を行った場合には、株主には法人税が課税されたあとの儲けが配当されます。そして配当には所得税が課税されることになります。(個人株主の場合、配当控除は無視しています)
一方LLPに出資して事業を行った場合には、LLPには法人税が課税されないため、法人税を課税される前の金額が、LLPの組合員に分配されます。そして個人の組合員において所得税が課税されることになります。
法人の場合には、法人において法人税が、個人において所得税が課税されます。
LLPの場合には、LLPにおいて法人税が課税されず、個人において所得税しか課税されません。
つまり、同じ儲けであったとしても個人の組合員の手元に残る金額が変わってくることになります。
また、LLPに損失が出た場合にも、LLPの損失を個人の組合員が取り込むことができ、他の所得と相殺が可能となります。
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