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「恵まれていること」に気づかなくなっている話

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 私の思い・考え

 数年前に、私より10歳以上年上の、ある大手企業OBのベテランコンサルタントから聞いたお話です。

 

 その人が以前在籍していた企業で定年を迎えた知人から、再雇用で給料が激減してしまって「20万ちょっとくらいの給料ではやっていられない」という話をされ、「自分が請け負えるようないい仕事がないか」という依頼をされたそうです。

 それに対してベテランコンサルタントは、「独立して自力で20万を稼ぐのがどんなに大変なことか」「自信があるなら会社を辞めて独立すればいいし、自信がないなら今のままでいるしかない」と返したとのことでした。

 

 ベテランコンサルタントが言うことには私も同感です。企業から離れて仕事をするということは、自分の力で顧客を探して、営業や提案活動をして、いろいろ交渉してやっと契約ができます。自力でお金を稼ぐのは、わずかな額でも決して簡単なことではありません。

 ただし、それは会社から離れて、会社のブランドや商品、その他の後ろ盾が無い中で仕事をした経験があるから言えることです。そうでなければ、20万円は新入社員の初任給くらいというとらえ方でしょうし、「自分はもっともらって当然の能力と経験がある」と思うでしょう。なぜかと言えば、「今までずっと、自分も周りもそうだったから」です。

 

 定年になったこの人が、独立したOBに相談するということは、仕事に関して何らかの世話をしてもらえることを期待したと思いますが、相手のメリットまでは考えていなかったはずです。

 同じ会社の仲間同士であれば、お互いに協力するのが普通なので、周りは自分の損得をそれほど考えずに協力してくれるでしょうが、その環境に慣れていると、「周りが世話を焼くのは当たり前」となってしまいます。ビジネスの基本はお互いのWin-Winですが、身内気分での甘えで自分のことしか考えていません。

 

 また、自分の経験、実績が活かせるはずだという、それなりの自信もあるのでしょうが、その経験や実績の中には、「会社のおかげ」や「その会社であればこそ」というものが含まれています。目に見えない「他の誰かのおかげ」が必ずありますが、その環境の中で、「本当の自分の力」を客観視するのはなかなか難しいことです。

 

 このように、自分にとって当たり前になっていることが、実は恵まれていることに気づいておらず、本当の現実が見えづらくなっていることがあります。

 多くのサポートが得られる環境で仕事ができるのを、私はうらやましく思いますが、自分がどのようなサポートを受けているのという意識を持っておかなければ、自分の現状や本当の実力を見誤ります。

 

 どんな形で仕事をしている人であっても、「20万の給料ではやっていられない」という思いは妥当なのか、それとも現実が見えていないだけなのかは、よく考えてみる必要があります。

 当たり前になっているせいで見えていないこと、気づいていないことが、どこかにあるのではないでしょうか。

 

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