「約束を平気で変える人」を見ていてわかったこと
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私自身は、もしも誰かとアポイントを決めたら、よほどの緊急事態ややむを得ない事情でも起こらない限り、それを変更することはありません。約束や時間を守ることには厳しい方だと思います。
私の周りの人たちは、ほとんどが同じような考え方の人たちです。
しかし、世の中にはそうでない人も大勢います。
先日ある会社の人を通じて決めたアポイントが、先方の都合で変更になったことがありました。そもそもは先方が指定してきた時間での予定だったにもかかわらずです。
その仲介をした人はベテランの営業職でしたが、「あの人はいつもそうなんですよ」などと、ちょっと怒り気味でおっしゃいます。
こんなことで私が思い当たるのも、アポイントの時間をあとから変更して欲しいと言ってくる人は、だいたいいつも決まっているということです。しかも、その人を相手にしていると、それが結構な頻度で起こります。
これはある日たまたま見かけたことですが、「アポイントをすぐ変える」という張本人が、まさに約束を変更している場面でした。様子を見ていてわかったのは、その人は相手の序列をはっきりとつけていて、その序列によって約束の扱い方を変えていることでした。
自分よりも上と見ている人が優先で、自分よりも下と見ている人とのアポイントを上書きして変えていました。
例えば受注している顧客を優先して、発注先業者とのアポを変えてしまう、上司の予定を優先して、部下との予定は後回しにするなどということをしています。先に入れた予定が優先ではなく、相手と自分との力関係が優先なのです。
それがわかった上で、あらためてその人が周囲の人と接する様子を見ていると、上の人には必要以上に腰が低く、逆に下の人にはやけに横柄という感じがします。相手によって態度の違いが大きいのです。
これを見た時、私はやっぱり「この人は信用できない」と思いました。
たぶん、相手が自分より上だと見れば、ごまをすったり媚びを売ったり、何でも反論せずに従ってきたりして、その反対に相手が自分よりも下だと見れば、一度合意したことでも、ゴリ押しして変えてしまうような人だと思ったからです。ビジネスをしていく上での信頼関係を結ぶことができそうにありませんし、こちらが一方的に損をするようなことにもなりかねません。
ほんの一つの小さなことであっても、よく見ていると、やはり一事が万事で同じような行動を取るものです。小さな約束を破る人は、大きな約束も破ります。
私は、こういうタイプの人と付き合うのは、はっきり言って面倒なので、よほどの用件でもない限りはからむことがありませんが、それは「自分が変な損害を被らない」というビジネス上の判断としても、たぶん正しいのだと思っています。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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