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「部下を守る」ということのいくつかの形

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 私の思い・考え

 少し前に話題になった、ある団体のブログ記事についてのお話です。

 

 クレーム対応について書かれた記事ですが、それによると、ある有名外資系のショッピングセンターで、明らかにクレームを通り越してスタッフに「イチャモン」をつけ、商品を「タダにさせてしまおう」とするお客がいたそうです。

 そこへ出てきた欧州系の外国人支配人は、「出て行け!お前は客じゃない!」と物凄い剣幕で怒りだし、「スタッフはお前の奴隷じゃない、謝れ!」と言ってクレーマーに謝らせたそうです。

 

 その支配人は、「“このラインを超えたら客じゃない”というところまではスタッフに努力させるが、それ以上やらせるとスタッフが仕事に恐怖を感じるようになってしまう」「それを絶対に避けるために、クレーマーがラインを超えた瞬間からは、スタッフを守るのが義務だ」と話していたそうです。

 

 これを読んで考えたのは、もし日本人の支配人だったらどうしただろうかということです。

 多くの人は、同じように部下を守ろうと思うでしょうが、その行動としては、たぶん部下と一緒か、もしくは部下の身代わりになって、クレーマーに謝っていたのではないかと思うのです。

 

 これは別の記事での話ですが、海外企業である社員が仕事上の失敗を犯し、その社員の上司のもとへ、上席部長がクレームを言いに来たそうです。

 ガラス張りの部屋の中の姿しか見えませんが、初めは冷静に話している様子だったのが、お互いが徐々にヒートアップして、大声で言い合いをする状況だったそうです。

 そこから漏れ聞こえてきたのは、「彼一人の責任ではない。責任者は私だ!」という直属上司の声でした。

 

 その言い合いは何とか落ち着いた後、直属上司はその失敗を犯した社員を呼び、今度は烈火のごとくその社員を叱ったそうです。周りの圧力からは徹底的に守るが、直接言うべきことははっきり言うということです。

 

 欧米の場合は、部下をきちんと守らなければ、すぐに切り捨てられる可能性がありますし、それを逆手に、気に入らない部下を排除する人がいる話を聞いたことがあります。それぞれの文化の違いは、確実にあります。

 

 「部下を守る」と一言でいっても、その方法は意外に多様で、何が正解ということはありません。

 ただ、前述のショッピングセンターの外国人支配人は、こんなことも言っていたそうです。

 「日本のお客さんは商品とサービスの品質に厳しいが、時にその限度が超えて単なるわがまま客に変身してしまうことが多く、さらに店から断られることに慣れていない」「これは全国的に頭を下げる接客しか教えてこなかったからだろう」ということでした。

 

 日本人のサービスは世界一だと、多くの人は胸を張りますが、その一方で、こんな過剰なクレーマーを生み出しているのかもしれません。こんなことから部下を守らなければならないということは、日本人としての反省が必要です。

 そして、過剰なクレームから「社員を守る」「部下を守る」ということを、もっと考えなければならないのだと思います。

 

 

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