初対面のアポをドタキャンした会社に未来はあるか?
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少し前の話ですが、たまたま電話を取った相手が営業代行の会社で、サービス紹介のためにアポイントが欲しいと言います。声は若そうな男性の営業担当です。
その会社の名前は、人づてに聞いたことがありましたが、何人からはあまり良くない評判を聞いています。営業担当のレベルが低いとか、サービスを利用してみたが成果がないとか、そんな内容の話です。
それでも会社としては成長しているという触れ込みですし、そうであれば何かサービスとして特徴的なものがあるのかもしれません。私の周りの評判は一部の偏った話なのかもしれません。私は電話営業をしてくる会社と会うことはほぼありませんが、この時は本当のところを確かめてみたい気持ちもあり、試しに一度会ってみることにしました。
そのアポイントの当日、予定時刻の10分前に営業担当から電話がかかってきました。
なんでも前の打合せ時間が延びてしまい、間に合わないので今日は来られないそうです。「多少時間を遅らせても良い」と伝えると、まだ相当遠くにいるので無理だそうです。電話口では「またあらためて」と言っていましたが、その後の音信はありませんでした。
こちらの興味本位な感じに気づいたか、それとも私の事務所のことを調べて、ここには営業しない方が良いと思ったのかなどと考えましたが、私にとっては重要なことではないのでそのまま放置していました。
しかし、それから2ヶ月ほどたったある日、その会社の別の営業担当からまた電話が入ります。前回と同じような感じの男性で、やはり同じくサービス紹介がしたいそうです。もちろんお断りしましたが、それは前回のことがあったからというよりは、私の中でこの会社に関する答えが出ていて、もう興味がなくなったからといった方が正しいです。
たぶん、
・営業担当同士が協力して、会社全体の売上を上げようという体制ではないこと
・営業経験の少ない若手人材が多く、なおかつスキルやマナーの教育も甘いこと
・テレアポの状況把握が甘いか、もしくはほとんどされていないと思われること
などが、一連の対応から私が感じたことです。
要は、対応のまずさは一部の人だけによるものでなく、会社全体がそうであろうということです。そうなると、どんなにサービス内容が良くても会社は伸びません。そもそも、そういう体質の会社のサービス内容が良かったためしはありません。
やはり伸びている会社は、当たり前のことを着実に続けています。何か約束事があれば、その担当者がいなくても、他の誰かが責任を持って対応しますし、できることはすぐやり、できないことはできないとはっきり言います。
ここで言う当たり前のこととは「約束を守る」「素早く」「誠実に」といったことです。
アポをドタキャンしたこの会社は、今のままでは未来がないと思います。今一度、当たり前な基本に立ち戻らなければダメだと思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。
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