マンションが爆発的に建てられ出したのは、昭和50年代に入って区分所有法と云うマンションの土地に対する所有方法を明記する法律が確率されてからの話しです。それらのマンションがそろそろ経済的耐用年数を迎えようとしています。
今は、受給のバランスが取れていますが、爆発的に建てられ出したマンションが今までと同じ割合で中古市場に出回ることになると、パイが大きくなる分供給圧力が高くなり、受給バランスが崩れます。
アベノミクスが成功したとしても、今後の中古マンションは値下がりして行くでしょう。昭和50年代のマンションは都心の一等地に多く存在します。都心部のインフラが整備された優良物件を手に入れるチャンスが広がります。
但し、資産として運用を考えるには、リスクが伴います。区分所有法は不動産としての流動性を阻害する面を持っています。例えば建替え等の問題が発生した場合の、事業主となる管理組合の権限よりも、一人々々の所有者の権利の方が強く建替えが殆ど不可能な事です。何も無ければ問題は表面化しませんが、万が一建物が地震等で被害を受けた場合、所有者全員の合意が無ければ建替えが出来ません。阪神大震災の時にも同様の問題が社会問題となりました。
個人で住む分には、どこにいても地震のリスクは同じですが、事業資金を借りて資産運用する場合は大きなリスクとなります。マンションの地震被害の不幸なところは、部屋によって被害の度合いが異なる事です。ある部屋は充分住めるのに、一部の部屋に住めなくなるほどの被害が出た場合、建物全体が危険と判定され事実上そこに住めなくなることにあります。
自分の不動産でありながら、自分だけではどうする事も出来ないジレンマがマンションには伴います。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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また、IAU型免震住宅設計資格取得者として、免震住宅等の相談も行っています。
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