対象:リフォーム・増改築
築32年の軽量鉄骨のリフォームを考えています。
HMでのリフォームではなく工務店さんに内装、水回りなどをお願いする予定です。
現在工務店さんから「部分増築」という案が提示されています。
(屋根裏、隣接する家との間、建蔽率などはきっちりと測って問題ないとの事です)
道路から死角になる部分でもあり特に外観を気にする事もなく、少し広げるだけで感じが大きく変わると思います。
しかし、もう1社見積をお願いしている会社から「壁を壊しての増築は絶対不可」と言われました。
その理由は、窓などの開口部分から繋げる形での増築は可能だが、壁を壊すと構造計算が必要と
なりHMでないと難しいとの事です。
私も知識が無いなりに色々と調べてみたのですが、2つの会社の言う事がまったく逆なので
判断基準が定まりません。
勿論、増築が問題ないのであれば少しでも広くなる方が今後の事を考えると良いかと思うのですが
たかが少しの増築でただでさえも築年数の経っている家の耐久性が落ちるのであれば増築は必要ないと考えています。
軽量鉄骨住宅における窓などの開口部分以外の増築は、専門家の方から見てどうなのでしょうか?
現在予定されている増築は、押入れ1間~2間分程度です。
ひなぽんぽんさん ( 愛知県 / 女性 / 35歳 )
回答:2件
メーカー独自仕様の構造の家
横浜の設計事務所です。
築32年というとぎりぎり新耐震の建物ですね。
増築に関しては確認申請が必要な大きさですと結構面倒です。
新耐震でも既存不適格だと構造(壁量)計算によるチェックが求められます。
ただ、防火指定のない地域で10平米以内の増築であれば確認申請がいらないので、極論すれば何をしようが構造的な部分に関しては自由です。(住む方の自己責任)
ただ、そうであっても構造的な検討はしなくていいのか?という職業倫理的問題は残ります。
ほんとに多少であれば、誤差の範囲内としてよしとするか、きちんと計算で確認するか、若しくは経験則的補強でも多少なら良いか・・・、とするか。
そこで構造の計算をしようとすると、メーカー独自仕様の家は計算のしようがありません。
在来工法やツーバイ工法はオープンな工法なので計算方式が充実しています。
(ツーバイはそれでも壁に穴をあけるのは難しい場合がありますが)
では、メーカーなら計算できるかというと32年前の仕様の計算が今更できるかは不明です。
ですので、多少でも耐力値に不明な部分が出るのが嫌であれば増築はしないほうが良いですし、多少だから出来る範囲でいいやと考えるのも住まう人の自由ではあります。
いまさらですが、家は何十年(今は100年以上)もの長い寿命を手入れや改築を繰り返して保つもの、と考えるとオープンな工法のほうが後々はフレキシブルですね。
回答専門家
- 小松原 敬
- (神奈川県 / 建築家)
- 一級建築士事務所 オフィス・アースワークス 代表
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中舎 重之
建築家
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軽量鉄骨造での増築
質問にある、開口部以外の壁を撤去しての増築は不可と考えた方が良いでしょう。
理由は、開口部以外の壁には地震や台風に抵抗するブレースが、
必ず有ると思われるからです。
ブレースと云うのは、丸鋼で斜めにバッテン状に入っており、此を外す事はタブーです。
鉄骨造(S造)に精通した建築士ならば、外したブレースに替わる耐力壁を増設する事でしょうが、
ハウスメーカーや工務店には、S造を構造計算できる技術者は皆無と思われます。
さらに云えば、軽量鉄骨造は重量鉄骨造と違い、現場での溶接接合が不可能な場合が多いのが、
問題なのです。溶接接合は躯体の軽量鉄骨の板厚が薄く、熱を加えると本体の軽量鉄骨が
熔けて穴があく場合が大です。穴が明いた軽量鉄骨は、耐力がゼロになります。
溶接接合が上手に出来た場合でも、現場での溶接なので、錆が出やすく、そこから腐食が
始まります。
いずれにしても、撤去する壁にブレースが無いことを確認して下さい。
簡単なのは、既存の開口部を利用しての増築を計画して下さい。
2015.2.23 中舎重之 Fax:046-263-9324
(現在のポイント:-pt)
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