対象:住宅設計・構造
現在、木造の新築住宅を計画中です。
浴室は在来工法で考えていますが、木材の腐朽を考えて基礎を天井まで立ち上げる計画です。
基礎の幅は150ミリで、立ち上がりの高さは2700ミリほどになります。
浴室内部はモルタル下地にタイル、浴室の隣が子供部屋なのですがそちらの内壁はコンクリートの上に胴縁にラスボード、塗り壁の仕上げとなっています。
構造的な心配もあるのですが、隣の子供部屋が結露を起こさないか心配をしています。
子供がまだ小さいので子供部屋は当面は日常的には使わない予定です。
腰くらいまでの高さの基礎を打つというのは聞いたことがありますが、天井までコンクリートを立ち上げるというのは初めて聞いたので、本当に結露等の支障が出ないかどうか構造的に大丈夫なのか、アドバイスをいただきたいです。
cocoruruさん ( 岐阜県 / 女性 / 34歳 )
回答:4件
天井までは不要かと・・・
cocoruruさん、こんにちわ。大阪で設計事務所をしています。
設計者の浴室に対するこだわりの問題かと思いますので、特に2700mmの基礎高が悪いと云う訳ではありませんが、ご質問の結露には充分注意を払わなければなりません。ラスボードを張るまでに、ウレタン等を吹付けて結露対策を行うべきでしょう。
また、構造的には四方囲むのであれば、あまり気にされることは無いかと思いますが、地震等が発生した場合、他の木造部分と違う揺れ方をしますので、周囲のクラック対策が気になります。外壁面が木造と一直線に並ぶ様な浴室の配置であれば、目地切り等何某かのクラック対策を考えた方が無難です。
技術サイドの話しになりますが、基礎高がそこまで高くなるとRC造と木造の混構造にならないか、申請機関によって解釈が変わるかと思います。もし混構造となってしまえば、RC単体でも耐力を検討する必要があり、天井面(二階床面)までRC造にする必要に迫られる可能性があります。また申請期間も長くなります。
2700mmまで高くするメリットは木の腐朽よりも構造体の違いによるタイルの割れ等の事故を回避する事にあります。通常の高基礎であれば、激しい地震等が発生しなくても、膨張・収縮する比率の違いで、基礎面と木造面の境に水平にクラックが入ってしまう事故が確認されています。その為タイル面は全てRC造にすべきだと考える設計者もおられます。しかしタイルの割れは、ラス下地をRC基礎部分まで延ばして施工する等の処置で回避できますので大きな問題とはなりません。
頻繁に壁面を水洗いしない限り、通常の浴室で水を被る高さ(床面から900mm程度)まで基礎を上げてやれば問題はないかと考えます。
それよりも在来浴室の問題は、浴室の出入り口廻りの木部の腐朽にあります。ユニットバスより防水性能が劣る為、出入り口の額縁や床面に浴室の水が染み込みます。木の腐朽が最も進むのは、木が濡れたり乾いたりを繰り返す時です。まさに、出入り口廻りの木部は濡れたり乾いたりを繰り返します。出入り口には恐らくアルミ建具を取り付けされると思いますが、取り付け下地を仕上げ同様に、木で施工しますと、数年後には間違いなく腐朽します。基礎を高くする事に予算を使うよりも、土台も含め出入り口廻りから木を排除することに予算を使う方が丈夫で長持ちする家になるかと思います。
評価・お礼
cocoruruさん
2011/05/11 11:36ありがとうございます。
基礎を頑丈にすれば構造的には強い物だと思ってしまっていましたが、他の部分とのバランスもあるのですね
RC造にしなければいけないということになると少し大掛かりになりすぎて、基礎高を高くするメリットととそれに付帯してくるいろんなことを比べてしまうと必要性はそこまで無いような気もしています。
浴室の扉は木製の開き戸で入り口まわりは腐朽を防ぐために石を貼ることを提案されていますが、洗面所側は木製の枠にするのでどうしても少しは木部が浴室側にも出てしまうようです。扉は腐ったら作り替えればいいので素材感を優先したいのですが、取替ができない部分が腐ってしまうのは極力さけたいです。
回答専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
福味 健治が提供する商品・サービス
住宅性能表示制度や長期優良住宅やエコポイントにも対応する、環境とお財布に優しい住まいの提案
竹中健次
建築家
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結露対策・保温はお忘れなく
浴室廻りには,私も20年以上前からコンクリートの壁で覆うっています。シロアリ対策や腐朽菌による木材の腐りです。壁の厚みは,最低で150mmかと思います。耐震の問題が懸念されれば180mmで鉄筋をダブル配筋します。浴室側には,スタイロホームを25mm以上をコンクリート打設時に打ち込みます。プラスモルタルプラスタイル張りです。浴室廻りの部屋に結露が起こる可能性があるので,ウレタン発砲材を30mm吹きつけを行います。それで窓の大きさによりますが,暖かな浴室の完成です。結露が止められますので廻りの木材にシロアリがつくことも腐朽菌が発生することも限りなく0%に近づくことができます。
内部にスタイロホームを打ち込んでタイルを貼ると,ひびが入るというか違いましたが,コンクリートの壁をきちんと施工すれば問題は起きません。私はタイルはもちろんのこと大理石も張っています。
施工会社はいやがります。
浴室内部の保温と浴室廻りの結露対策を忘れてはいけないと考えています。
それを行わないことは,コンクリートで浴室を囲うことは意味がありません。
ユニットバスとは違った,個性のある浴室が提供されるとを願っています。
私のHPを覗いてみてください。
後は換気扇をきちんと施工することです。上記は天井から必ず漏れています。
これはユニットバスでも同じ現象が起きています。
全体として建物にほとんど影響はないので大丈夫です。
評価・お礼
cocoruruさん
2011/05/11 11:08ありがとうございます。
実際に施工をされてる方のご返答をいただけてとても参考になりました。
やはり結露対策はしっかりとしないといけないということですね。
結露対策ができていなければコンクリートで覆うことは意味がない、もう一度施工方法について相談をしてみます。
ありがとうございました。
田中 伸裕
建築家
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子供室にも目を向けて
結露は水蒸気を含んだ暖かい空気が冷やされた(壁等に触れた)時に水蒸気として保てなくなるために発生します。
防ぐためには、壁の表面温度を室温と同じくらいに保つ(断熱・防湿・気密)・換気を良くし水蒸気をとどまらせない(計画換気)ことが必要です。
コンクリート壁や浴室側に関しては他の回答者さんが回答していますので省きます。
岐阜県は全国的に見ても日射量が多く、蒸し暑い地域です。
「子供部屋は当面は日常的には使わない予定」とのことですので、物置代わりになるのではと予測します。
そうすると部屋を使う頻度が少なく24時間換気は義務付けられてはいますが空気が滞りやすくなり結露につながりやすくなります。
また、浴室側の壁にクローゼットや家具などを置くとやはり換気の面で不利になってきます。
コンクリート壁の処理方法を確実に行うことが大切ですが、子供室の断熱・防湿・気密・計画換気についても計画者さんに確認してください。
評価・お礼
cocoruruさん
2011/05/11 11:45ありがとうございます
去年の夏はとても蒸し暑い日が続いたせいか、いろんな物がカビました。そして冬はとても冷え込む地域ですので浴室と使っていない部屋との温度差はとても大きくなるのはさけられないと思います。
特に子供の使う場所には少しでもカビ等の発生は抑えたいと思っています。
子供部屋の対策を相談してみます。ありがとうございました。
田中 伸裕
2011/05/12 13:18評価ありがとうございます。
私も岐阜で設計事務所をしております。
いかに自然の力で各室の温度差をなくすか
岐阜の気候対策には大変苦労しますね。
下大園 幸雄
建築家
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基礎工事の検討も同時に・・
こんにちは、ログ家設計の下大園です。
cocoruru様の浴室基礎の立ち上がり2700について
住宅の場合は、窓と、入り口があります。従ってコンクリートの2700は2面が
施工可能で、他の2面は、小さな壁が出来、コンクリートで全て施工した場合でも
小さい壁部分にひび割れが地震の時に木造部分の揺れとコンクリートの
揺れが違うために発生しやすい。 現在の施工はユニットがほとんどですが、
コンクリートでタイルの場合は、1坪で5トン前後重くなります。基礎も浴室の部分だけ
補強した場合で創造すると、建物が海に浮かんでいるとして斜めに浮かんでいます。
特に地震は重さ左右されます。地盤調査の結果はわかりませんが、軟弱地盤の場合は、基礎
(スラブ)全体で建物を支えるように配慮してください。
参考にしてください。
評価・お礼
cocoruruさん
2011/05/11 11:53ありがとうございます
特定の部分だけを強固にしてしまうと地震で揺れた時に違う揺れ方をする、イメージは何となくですがわかります
はじめは結露のことばかりを気にしていましたが、やはりいろんな所で弊害も出てくるのですね
もう一度、しっかりと全体のことを考えて検討をしてみます
ありがとうございました
(現在のポイント:-pt)
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