対象:ペットの医療・健康
今年の5月で推定15歳になる女の子です。
2009年後半頃から左胸に乳腺腫瘍が出来ておりました。ですが同年5月に同じく乳腺腫瘍で手術したマルチーズ9歳の子を術後まもなく亡くしておりましたので手術に対する恐怖心がありどうしたらいいのか決断ができないまま今に至りました。
今現在はその腫瘍が直径6センチほどの大きさで皮膚も薄くなり今にも自壊しそうな状態です。自壊した時の辛さを思うとやはり手術して切除してもらった方が負担が少ないだろうと今になってやっとこちらの気持ちがその方向に向いて参りました。ですが15歳といえば高齢で麻酔の負担を考えるとすぐには決断できず、まずはかかりつけ医に一通りの検査をしてもらいました。レントゲンの結果肺には転移してないようでしたが心臓がだいぶ弱くなってきているとの事でした。
先生がおっしゃるには「・拍出量が弱くなってきている・QTCの数値が上昇している・心臓の筋力が弱っている・コミャクも低い・僧帽弁閉鎖不全症にはなってない、腱索が丈夫なのでしょう・肝嚢胞があるが心配はない」との所見でした。
肝臓疾患をもっており現在はタウリンの服用で数値も600~700台に落ち着いております。なので「この時期が手術のチャンスかと思っていたのですが心臓の状態を考えると手術はお勧めできません」との事でした。
自壊するとそこから常に出血があり臭いもが本人は痛みはあまり感じないと思います。とも言われてましたが感染症をおこす危険性もあり何より本人が不快でつらい日々が続くのではないかと思っております。
今現在が元気に暮らしているのなら手術は選択肢からはずし自壊によりQOLが著しく低下したした時に手術を考えるというのが私の現在の決断です。
今回お聞きしたいのは、1自壊により寿命が縮むことはあるのか?2自壊が原因で亡くなってしまうことはあるのか、それとも本人は不快でも感染症にさえ気をつけておれば快適ではないにしろ元気にしていてくれる可能性はあるのかということです。
先生はお勧めできないとおっしゃっていても本人の生命力に賭けて手術をするべきか、今元気にしていてくれてるなら手術は自壊して生活していくにもかなり不自由が出てから再度考えるべきか。最終的な決断は私たちがするべきこととは承知致しておりますが自壊後の1、2の質問と先生のご意見をお教え頂きたくお願い申し上げます。
補足
2011/03/03 12:53犬種はマルチーズとシーズーのミックスです
ミルとリンさん ( 京都府 / 女性 / 35歳 )
回答:2件
乳腺腫瘍の自壊について
はじめましてアレス動物病院の沖田と申します。
さて、麻酔に耐えうる状態かどうかは、やはり実際診察してみないとなんともというところですので、ご質問された1,2についてお答えさせていただきます。
1.自壊によって直接寿命が、ということはないかもしれませんが、自壊を起こせば自虐しないよう、生涯エリザベスカラーが必須になるかと思われますので、生活はかなり不自由になると思います(放置すると舐めたりかじったりして悪化させてしまいますので)。
また抗生剤を飲んでいても地面に接地する以上は床ずれ、炎症は避けられず、出血を繰り返し、化膿は薬だけでコントロールするのはおそらく困難ですので、やはり貧血と免疫力低下がじりじりと進んでいき、いずれは限界が来てしまうと思います。
そういう意味では自壊で寿命が短くといえなくもないです。
2.同様に自壊の瞬間ショック死、などということはないでしょうが、これを原因に敗血症を起こしたり、あるいは貧血で衰弱死に至ったりという可能性はあるかと思います。
文章を拝見した限りでは、時間が経てば手術のリスクが低くなるというタイミングはおそらくなく、時間とともにより心不全は進行し、より手術のリスクは高くなっていくと思います。
また遠からず自壊は避けて通れないのではないかと思われます。
今手術のリスクが高いのでやらないが、自壊したら手術をというのは、おそらくより高い手術のリスクが待っているだけであり、今でさえ手が出せないものを数ヵ月後にというのは現実問題としては無理があるかと思います。
極論かもしれませんが、
1今やるか
2一生やらずに手術なしで行けるところまで行くか
の2択ではないかと思われます。
どちらの路線でいくかは主治医の先生ともよくよく相談されて、とは思いますが、1日家族間でじっくり話し合い、1か2の路線を決めたら、後はそれを徹底するというのが良いのかもしれません。
途中で路線変更をすると、中途半端な結果となり、より大きな迷惑をワンちゃんにかけてしまうのかもしれません。
難しい決断ですが、大切なワンちゃんのため、一度家族での話し合いの場を持ってあげてはいかがでしょう。
評価・お礼

ミルとリンさん
2011/03/04 09:26沖田先生
早速のご回答ありがとうございました。
自壊をおこした時用に人間の生理用布ナプキンを何枚か用意してあります。でも知らない間にそれが取れ自分で舐めたり噛んだりという可能性も先生がおっしゃるようにあるかと思います。
そうなった際の自壊腫瘍部分の経過もよく理解できました。
先生のおっしゃる1も2もどちらにしてもリスクは大きく負担も大きい選択になり話し合っても決めかねる選択ですがそれしかないことも承知しております。
私たち家族が納得いく決断がミルにとっていいのかどうか、沖田先生のご回答を参考に再検討いたしたいと思います。本当にありがとうございました。
回答専門家

- 沖田 将人
- (富山県 / 獣医)
- アレス動物医療センター センター長
地域に密着したワンランク上のホームドクターを
アレス(Alles)とはドイツ語で「あらゆること」を意味します。インフォームドコンセントの充実、年中無休、CTスキャナ導入など動物たちの幸せにつながることなら、飼い主様のあらゆる要望にお応えしたい。そんな願いを込めて診療に取り組んでいます。

Re:高齢犬の乳腺腫瘍と自壊について
質問に対する回答をさせて頂きます。
1 自壊部では細菌感染が起きやすく、また持続的に少量の出血や炎症が続くため貧血や低アルブミン血症になることが予想されます。このような場合、生活の質や生存期間に悪影響を及ぼします。
2 自壊は死に直結するものではありませんが、その痛みが動物のストレスになりますし上記のように一般状態の悪化へつながります。また強い悪臭の原因となり飼い主様も不快に感じることがあるでしょう。
おっしゃるように高齢の個体では若齢に比べ手術のリスクは多少高くなります。しかし今にも自壊しそうであり転移が現時点で見つかっていないのであればば手術を第1に検討したほうがよいでしょう。麻酔管理がしっかりできる動物病院を選ぶことで手術のリスクを軽減できます。
まずはセカンドオピニオンとしてかかりつけ以外の動物病院の診察をうけましょう。しっかり獣医師と相談して治療方針を決めることが動物の為になりますし、飼い主様が後悔をしないことにもつながります。
評価・お礼

ミルとリンさん
2011/03/09 09:02●●先生、ご回答ありがとうございました。
●●先生には2009年に乳腺腫瘍の手術直後に亡くしてしまったマルチーズのリンの時にもご回答を頂きました。その節はありがとうございました。そのせいもあって手術に対する恐怖心から切除手術はせずにときたことが今の状態につながってしまい、結果ミルにとってつらい思いをさせてしまうこととなり後悔ばかりです。自壊部のおこりうる症状、ミルの負担よくわかりました。色んな先生方の意見をうかがい判断いたします。
ありがとうございました。
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