対象:ペットの医療・健康
お世話になります。
今年10歳になる愛犬の腹部に2センチ程の柔らかいしこりがあるのを去年に気づき、直ぐにいつも診て貰っている動物病院で調べて貰いました。
バイオプシーという検査でしたが、結果「癌なのか脂肪なのか良く分かりません。心配なら除去手術をしましょう。」と言われました。
その頃嘔吐が2日に1回ほどありましたが、いつもご飯前の時間だったので空腹が原因かもと言うことで、ご飯を分けて回数を増やしたことでしだいに無くなり、それ以外は食欲旺盛で何より元気だし(体重も一定)手術の危険性を心配して、急に大きくなるようだったらと家族で相談して見送りました。
今年に入ってそのしこりがはっきり分かるぐらいに大きくなったような気がするので、血液検査を兼ねて今日又診て貰いました。
触診して大きさは変わってない事、血液検査で結果が出ない事を言われた上で、手術するのだったら歯石除去も出来ますよと、勧められています。
食欲は相変わらず旺盛で散歩も時間になったら待っているぐらい元気ですし、見た感じしこり以外は何も変わりません。(心配するほどでは無いぐらいですが少し嘔吐あり)
しこりが何なのか結果が出ない状態で手術をした方が良いのかどうか、又手術をしきりに勧められている事(ついでに歯石除去も出来ますよと去年も今年も勧められています。)に戸惑いを感じ手術の危険性も考えて悩んでいます。
診察していただいている訳ではないので答えに難しいとは思いますが、このまま手術をした方が良いのか、もしくは病院を変えてもう一度検査した方が良いのか、専門家の方のご意見をいただければ幸いです。
wankokkoさん ( 兵庫県 / 女性 / 38歳 )
回答:2件
腹部のしこりについて
はじめまして、アレス動物医療センターの沖田と申します。
歯石除去を一緒にすべきかどうかは別として(どの程度のものかもネット上ではわかりませんし)、2cmの腫瘤は手術したほうがよいのではないでしょうか。
人間もそうですが、腫瘍は必ずしも痛みは伴わず、基本的にはどこか大切な臓器に転移しない限りは、元気も食欲もあります。
そういう意味では、元気や食欲がなくなったころにはどこかに転移してしまった後であり、そのころにはもう手遅れとなっています。
手術をするならば今、という気がします。
もちろん血液検査で全身麻酔に耐えうる状態であること、レントゲン検査で肺転移などが認められないことなどの事前の検査をクリアしてからとは思います。
ただ悪性ならば少しでも早く取ってあげたほうが良いですし、良性ならばはっきりさせて後顧の憂いを断つのが良いのではないでしょうか。
何もせず後に後悔するよりは、早め早めの対応がよいのではと思います。
一度他院で検査を受け、セカンドオピニオンとしての意見を聞いてみることもよいとは思いますが、手術以外の検査となると、やはり前回同様注射器によるバイオプシーでの検査になると思われます。
この検査は麻酔が必要ないというメリットがあり、その代わり必ずしも重要な病変部を調べられるとは限らないというデメリットがあります。
もしかしたら、同じような検査結果、意見になるかもしれませんが、全身麻酔という大きな決断のために、他の先生の意見を聞いてみるということはけして悪いことではないと思います。
あくまで仮定の話ですが、もし同様の患者さんが目の前に現れたら、血液検査、レントゲンに異常がなければ、おそらく私も腫瘤摘出はお勧めするのではないかと思います。
評価・お礼

wankokkoさん
2012/03/05 01:00早々とご回答をいただき、有難うございます。
私も愛犬の年齢と体力を考えたらもう後はないと思い、自分でもネットで調べてみたのですが、どこにもバイオプシー検査のデメリットについては書かれて無く、検査の結果が曖昧なことに不信感を持っていました。
(去年母が亡くなる前の手術に色々と問題があったので、特に神経質になっていたのかもしれません。)
でも分かり易い説明と先生の仮定のお話を読んで安心しました。
家族ともう一度相談の上、手術を考慮してみます。
有難うございました!!
回答専門家

- 沖田 将人
- (富山県 / 獣医)
- アレス動物医療センター センター長
地域に密着したワンランク上のホームドクターを
アレス(Alles)とはドイツ語で「あらゆること」を意味します。インフォームドコンセントの充実、年中無休、CTスキャナ導入など動物たちの幸せにつながることなら、飼い主様のあらゆる要望にお応えしたい。そんな願いを込めて診療に取り組んでいます。

Re:腹部のしこり
回答が遅くなり申し訳ございません。
質問がいくつかありましたので、個々でお答えさせていただきたいと思います。
手術をした方が良いか?という点に関しては、基本的に獣医師も飼い主も 『良性なら手術したくない。悪性なら早く手術したい』 その方向性は同じです。針を刺しただけのFNA(針吸引生検)と呼ばれる検査および診察で、『良性です。』 と言い切れることはまずありません。悪性なのか良性なのかは病理検査といって、細胞の検査によって確定されます。
良性のものであっても『なくなることで、心配もなくなる』のであれば早期に手術をした方が賢明と考えます。現に昨年よりも大きくなったかもと心配されていますよね?年齢を重ねると手術の適期を逃してしまうこともあります。
病院を変えて検査してもらうことに関しては、納得のいく説明を受けられる可能性、自分自身が納得できる可能性ということで検討してみても良いでしょう。
手術をしきりに勧められるということですが『なぜ勧められるのか?』と視点を置き換えて考えてみましょう。おそらく歯石が貯まって、口臭があるのではないでしょうか?10歳という年齢であればこれを最後という気持で歯石除去をすることは一般的です。歯石、歯肉炎は多くの病気の原因であることもわかってきています。同じ状況であれば、きっと我々も歯石の除去をお勧めします。麻酔をかけて治療するでしょうから、一度に行なった方が費用面では安く済む病院のほうが多いはずです。
治療費の面を見てしまうと、手術をしきりに勧めてくると見えてしまうかもしれません。しかし、多くの獣医師は元気な愛犬と長く一緒にいて欲しいと願っています。治療費の話もきちんとされてみてはいかがでしょうか?
あとは手術を迷われていることに危険性を挙げられていますが、どのように危険性があるのか?をかかりつけの先生とよく相談されたほうがいいと思います。先に述べましたが、発見していたのに手術の適期を逃してしまうことが最も悔やまれることだと思います。
評価・お礼

wankokkoさん
2012/03/16 01:23実は、違う病院で診ていただきました。
しこりのサイズは「大きくみても1.5センチ。触っても痛みがないので2ヶ月後に計って急に大きくなっていたら手術した方が良いでしょう」
歯石は「今の状態だったら歯磨きして堅い物やガムを噛ませれば大丈夫ですよ。」との事です。それで少し安心していたのですが、前の病院での血液検査で肝臓の数値が高く1ヶ月後に再検査しましょうと、手術の話は延期になりました。
こういう形になってしまいましたが、先生方のご意見は分かり易く、納得出来ました。今後手術の話になった時には、疑問に思うことを担当の先生とよく相談してみます。
お忙しい中有難うございました。
(現在のポイント:-pt)
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