二~三週間前は、まだ夏の服装で充分だったのに、少し涼しくなって来たかなと思うと、もう朝夕は肌寒い季節です。あと10日もすればあちこちで紅葉の便りが届くでしょう。
過ごし易い季節は本当に短いです。家の性能はこの短い季節を如何に長く感じる事が出来るかにあると考えています。今の季節、昼間は少し動くと暑い位に感じる事が出来ますが、朝夕は肌寒いです。昼間の暑さを朝夕に取って置く事が出来れば、快適な一日となります。
昼間の暖かい熱を床下の基礎に溜め込み、夜にゆっくりと放出する事が出来れば家の中の温度差はなくなります。
今後のエネルギー事情を考えれば、寒ければ暖房をつけて暑ければ冷房に頼るのは、これからの住宅ではありません。かといって我慢するものおかしい話しです。家の性能として力任せでは無く、自然の営みを上手く利用した家造りが求められています。
普通の家では冷暖房の効きにくい、吹き抜けは敬遠されますが、気密性・断熱性を高めた家では室温を一定に保つ循環装置としての役目を担います。デザインだけで吹き抜けを設けるのではなく、循環装置としての意味付けが出来れば、無駄な空間ではなくなります。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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また、IAU型免震住宅設計資格取得者として、免震住宅等の相談も行っています。
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