グラスウールは、施工が悪いと壁面内結露を起こし、経年変化でずり落ちて隙間が空いてしまう。また鉱物性繊維は人体に良くない。等々ネット上で悪評を探せばキリがありません。本当にそんなに悪い断熱材なのでしょうか?
グラスウールは他の断熱材に比べ価格が安く、その分数多く用いられています。その為グラスウールの特性をあまり考えず、ただ入れれば良いと云う時代もありました。その弊害が「グラスウールは悪い」と云うイメージを生み、グラスウール以外の断熱材メーカーがグラスウールの欠点を煽る様に施工性の悪かった現場の写真をネットで公開しましたので、益々悪いイメージが定着しています。
その他の断熱材メーカーが煽動するほど悪い製品であれば、グラスウールは市場から駆逐されているでしょう。しかし断熱材で日本の先導的役割を果たしている団体や、温熱設計の大家と呼ばれる先生方には意外とグラスウールの優位性を説く方が多いのです。グラスウールの欠点は施工方法や仕上げ材等の材料選定で十分カバー出来る事が多いためです。
断熱材の選定はTPOにより異なりますので、どれが最適とは云えませんが、断熱性能は断熱材だけで決まるのではなく、家の総合力で決まりますので、予算の配分をどこに割り当てるかを良く考えることが大切です。断熱材に高価なものを選んだ為にサッシュやガラスの断熱性能が落ちてしまったのでは元も子もありません。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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