- 平 仁
- ABC税理士法人 税理士
- 東京都
- 税理士
対象:税務・確定申告
- 近江 清秀
- (税理士)
- 平 仁
- (税理士)
所得税の改正点としては、大きくは2点。
・給与所得控除の見直し
・退職所得課税の見直し
まず、給与所得控除の見直しについて
・給与所得控除の上限設定(平成23年度改正できず)
給与所得者については、給与がどれだけ上がっても、それに応じて
給与所得控除も上がっていくという仕組みである一方、
税率は給与所得1800万円(給与額では2060万円)を超えると
一定なので、負担率が増えることはありません。
そこで、給与額1500万円を超えると、給与所得控除は245万円を
上限とし、控除額を増やさないことにすることによって、高額所得者
に対する税負担を加重することにするようです。
・特定支出控除の見直し(平成23年度改正できず)
給与所得者は事業所得者のように必要経費控除ではなくて、
給与所得控除という概算経費しか原則的には認められていないんですね。
これが大島訴訟(最高裁平成60年3月27日判決)がきっかけになって、
10項目だけでしたが、特定支出控除というものが認められています。
今回の改正はこの適用範囲を拡大して、弁護士や税理士等の資格を
取得するための資格取得費や、新聞代やスーツ代等の勤務必要経費にも
適用しようとするものです。
次に退職所得課税の見直しについて(平成23年度改正できず)
退職所得については、退職後の生活保障的な意味があることもあって、
退職所得控除を控除した後の残額を1/2にしてから課税しています。
しかし、短期間のみの在籍にもかかわらず高額の退職金を受け取る
ケースもありますから、勤続年数5年以下の法人役員等に対する
退職所得については1/2課税を廃止するという改正です。
この改正は高級官僚らに多い天下り時の短期の退職や渡りを防止する
意味があるものと考えられます。
他に、租税特別措置で時限適用になっているものを縮小して延長したり、
優良住宅等の住宅取得控除が拡充する等、
細かい改正点はいくつかあります。
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