相続税の連帯納付義務は、申告期限から5年を経過した場合、
もしくは延納または納税猶予の適用を受けた場合には、解除される旨の
改正案が示されました。
相続税は、お亡くなりになった方の財産の時価総額から
基礎控除と相続人数に応じた控除額が差し引かれた残額に対して
課されるんですね。
ですから、亡くなった方の財産総額によって相続税額が決まるんです。
これを相続人が受け取った財産に応じて支払う、という仕組みになっています。
しかし、受け取った相続財産を使ってしまった等の理由で、支払うべき
相続税を払わなかった相続人が出てしまったらどうでしょうか。
相続税法は、支払わない相続人から徴収しなさい、とは書いていないんですね。
相続人は、亡くなった方の相続人は、相続税を連帯責任で支払わなければ
ならない、と規定しているんです。このことを連帯納付義務といいます。
ですから、税務署は、支払わない相続人よりも、お金を持っていそうな
他の相続人から税金を代わりに払ってもらってもいいんですね。
これはお金をもらう代わりにもう何の責任も負いませんよ、という
いわゆるハンコ代にも関係ありませんから、
他の相続人がちゃんと払ってくれているのか注意していないと、
いつとばっちりを食らうのか、わかったものじゃないですね。
だからこそ、これまでも学者からは槍玉にあがっていましたし、
自民党政権時代の税調でも時々あがっていた論点です。
ようやく改正提案になりました。
この改正については、峰崎内閣参与のご尽力によりねじ込まれたそうです。
しかし、相続税・贈与税については、他の論点については、
ほぼ全面的に改正見送り。基礎控除を5000万から3000万に、
相続人数に応じた控除も相続人数×1000万から600万に引き下げるとの
平成23年度改正案は平成24年度改正案には盛り込まれず、
来るべき税制抜本改革を待つことになりました。
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