食べることは生きること、忘れていませんか？

こんにちは、高窪です。
今日は曇り空で、雨も降るようですね。
毎日お天気が目まぐるしく変わり体調維持が大変ですが、みなさまいかがおすごしでしょうか？

今日は塩麹のレッスンをおこないます。
おかげさまでほぼ満席となり、あとはレッスンを待つばかりとなりました。
ご興味のある方は多かったのですが、ウィークディの夜ということで時間が合わないというお声もいただきました。
そこで、現在1月の土曜日でレッスンを開催できるかどうかを検討中です。
決まりましたら、またご案内させていただきますのでよろしくお願いいたします。

さて、昨日の夜、先日のファームエイド銀座で購入させていただいた北海道のソガイさん：シゼントトモニイキルコトの黒米を入れてご飯を炊きました。
最近、黒米や赤米、緑米などの古代米を入れて炊くご飯は、我が家でちょっとしたブームです。

炊きあがったご飯は、ソガイさんのご性格そのままに明るく、パワーを発していて美味しさも格別でした。
料理もそうなのですが、育てたひとのご性格やその姿勢がそのまま野菜やお米、お肉などの農産物に乗り移っているように感じています。

今の仕事を本格的に始めて数年、食をはじめとしたさまざまな事象に以前より自由な立場で接することが出来るようになってから自分自身の価値観も変化し、それに伴ってアンテナも高くなったように感じます。
食材に関しては、ちょっと変かもしれませんが「生命がまだ宿っている」ものかどうか、感覚的に感じ取るようになってきたように思います。

その感覚を初めて自覚的に感じたのが、何度も話題に出している北海道・せたなで黒豚を育てている上泉さんの黒豚肉を初めて触った時でした。
命の塊のようなパワーを感じて、天地がひっくりかえるような衝撃を受けたのです。
それが、今考えれば価値観の転換が自覚的になったはじめだったように思います。

もちろん、それまでも食べることは生きることであること、そして他の生き物の命をいただいて人は生きているのだ、ということはきちんと理解していましたが、命の塊のような黒豚肉に触れた時に人智を越えた「何か」を感じ、自然と涙があふれました。

そこから上泉さんとの交流が始まり、そしてお醤油やお味噌でお世話になっている富樫さんが会長を務め、上泉さんやソガイさんなどが集まっている「山の会」という団体との交流もさせていただくようになりました。
上泉さんとの交流はすでに4年目に入ろうとしていますし、山の会の方たちとの交流ももう少しで丸2年になります。
みなさまの暖かなお心遣いで受け入れていただき、素晴らしい農産物を購入させていただくだけでなく、農業についてわからないことを教えていただいたり意見交換をさせていただくことで、さまざま勉強させていただいていて本当に感謝しています。

安さや便利さを求めて、何もかも大量生産にシフトしている現代。
沢山の食べ物がお店にはあふれ、飢えることは基本的にはあまり考えられません。
とはいえ、食べ物の生産現場や加工品の生産現場が工業的に効率化されればされるほど、食べ物は「モノ」とみなされ、命が希薄になっていくようにも思えます。

人の価値観はさまざまです。
安くお腹を満たせればよい、とお考えの方もいらっしゃるでしょうし、食べ物はすでに調理されているのだから、命などはないと科学的・論理的におっしゃる方もいらっしゃると思います。

けれど、食べることは生きること、命をいただいて生かされている、という事実だけは動かしようがありません。

その重さを、今だからこそ今一度かみしめてみる必要があるのではないでしょうか。