12か月で学ぶ哲学用語 アウグスティヌスの「恩寵」 - 人材育成全般 - 専門家プロファイル

中沢 努
パンセ・ソバージュ・アンド・カンパニー 代表
東京都
コンサルタント・研修講師・講演講師

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対象:人材育成

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12か月で学ぶ哲学用語 アウグスティヌスの「恩寵」

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哲学用語

哲学用語:恩寵(おんちょう)
哲学者:アウグスティヌス(アウグスチヌス)(354 ― 430)

私たちは「人を助けるやさしさ」を持ちながらも同時に「人を蹴落とす残忍さ」も持っています。
聖と俗(或いは善と悪)が混在し、同時に存在していることを否定できないのが人間の本質でしょう。

この背反の関係にあるものが同居する不完全な人間とは違い、神は「完全な」存在です。
恩寵とは無条件に人間を救おうとするこの「神」による無償の態度や行為を言います。

アウグスティヌスは若いころ欲望に溺れた放蕩の日々を送っていました。
悩みに悩んだ彼を覚醒させたのが「キリスト教」でした。

良くないと知っていながらも流されてしまう私たち。
欲望の誘惑に屈してしまう私たちの「どうしょうもない部分」を何とかするためには、不完全であり続ける人間を超越した「神なる存在」が与えてくれる「恩寵」すなわち「無条件の肯定」を知り、そこに自分を預けることだとアウグスティヌスは考えたのです。

えっ「神」なんてバカバカしい?
・「神なるもの」が本当にいるのか?
・「恩寵」なんて本当にあるのか?
・「空想の産物」に過ぎないのでは?

もしそんな気持ちがしたら・・・。

あれこれ考えずに「不完全な自分」をじーっと見つめ、「自分のどうしょうもないくらいにだらしない部分」=「誘惑に負けた心と体」を直視し、絶望してみればいい。

◆「弱い」からこそ「強い」にあこがれる。
◆「不完全」だからこそ「完全なるもの」にあこがれる。

こういう視点から「恩寵」という言葉を捉えれば、少しは親しみを持って理解できるのではないでしょうか。

(中沢努「12か月で学ぶ哲学用語」から抜粋)

◆ この解説は筆者が原典や学術書を読み漁り自分なりに理解した内容を記したものであり、ビジネスパーソンを対象に書いたものです。
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