せいさつ(093)人間の質は経験の質 ロックのタブラ・ラサ - 人材育成全般 - 専門家プロファイル

中沢 努
パンセ・ソバージュ・アンド・カンパニー 代表
東京都
コンサルタント・研修講師・講演講師

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対象:人材育成

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せいさつ(093)人間の質は経験の質 ロックのタブラ・ラサ

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せいさつ 100~091


世の何にはいろいろな人がいる。
いろいろな人がいるということは、いろいろな質の人がいることでもある。

これを「人間の質」と呼ぶとする。
そして、これに沿って人間を3分類してみる。

 ・人間の質が高い
 ・
人間の質が中の人
 ・
人間の質が低い人

さて、この差はどこから来るのだろうか?

哲学の世界に「生得観念」という言葉がある。
人間にとって観念は生得的なものか否かを議論検討する際に使われる言葉だ。

デカルトは人間の究極的な観念、観念を観念たらしめる力の原因を神に求めた。
一方、イギリス経験論の哲学者J・ロックは、このデカルト説を斥けた。

彼は観念を観念たらしめる力の源を経験に求めたのだ。
ロックは、人間の心は白紙(タブラ・ラサ)であると考えた。

人間は様々な経験をする。
それを白紙に書き込むことで知性が知性として現れるというのだ。

ロックが言っているのはあくまで観念についてであった。
しかし、私はこれを観念から人間そのものへと敷衍してみた。

その結果は以下である。

『私は「人間はもともとは白紙である。人間はその白紙に自分の経験の痕跡を残していく。やがてそれが集積する。その集積が人間の質となっていく」と考える。』

だから私は自分自身に質の高い経験をさせようと心がけてみる。
それは時に俗っぽい成功の邪魔になるのだが。

私はしょせん凡人だから、それを歯がゆく思う。
しかし、凡人だからこそ「武士は食わねど高楊枝」を真似てみる。

さあ、私はこれをいつまで続けられるだろう。

(中沢努「思考のための習作」から抜粋)

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