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対象:人材育成

中沢 努
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閲覧数順 2016年12月05日更新

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せいさつ(098)嘘を見抜く F・ベーコンの「4つのイドラ」

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せいさつ 100~091


本当はあるのに、それが「見えない」ということがあります。

本来であれば「見える」ものがなぜ「見えなくなる」のか?
見えなくしている「何か」があるからです。

さて、その「何か」って何でしょう?
フランシス・ベーコンという哲学者は、この犯人をイドラという名前で呼びました。
イドラとは偶像のことです。

「人間の知性をすでにとらえてしまって、そこにふかく根をおろしているイドラと誤った概念は、ただ、人びとの精神をとりかこんで、真理がはいってくることをむずかしくしているだけではなく、真理がはいってくることを許され認められるようになったのちも、人びとがあらかじめ用心して、できるだけ、それらのものに対して身を守らないかぎり、それらは、いざ、学問を革新しようとすると、ふたたびあらわれてじゃまをするであろう。人間の精神をとりかこんでいるイドラには四種類ある。(説明の便宜のために)名をつけて、わたくしは、第一のものを種族のイドラ、第二のものを洞窟のイドラ、第三のものを市場のイドラ、第四のものを劇場のイドラとよぶことにした。」
(F・ベーコン「ノヴム・オルガヌム」)

分かりにくいかもしれませんね。
解説しましょう。

社会の様々なしがらみの中で生きざるを得ない私たちは、それを引きずり、時として歪んだものの見方をしてしまいます。
しがらみで変形してしまった認識・解釈を真実と錯覚してしまうわけです。

そこでベーコンは私たちの認識や解釈を歪める「先入観」や「心の構え」を4つのイドラとして示したのです。

1.種族のイドラ
 ・・・人類共通に見られる感覚による錯覚
2.洞窟のイドラ
 ・・・個人の好みや習慣、固有の経験に引きずられるなどから生まれる誤謬
3.市場のイドラ
 ・・・言葉が思考に及ぼす影響から生じる誤り
4.劇場のイドラ
 ・・・権威や伝統、思想家たちの学説などを鵜呑みにすることから生ずる思い違い

どれも私たちの日常で普通に見られますね。
例えばこんな感じでしょうか・・・。

A.人間が自分たちの都合のいいように自然を開拓し、後にそれが大きな環境問題となる。
(「今何も起こらないのだから大丈夫だろう」という感覚が先を見えなくする→種族のイドラ)

B.公的な申請書の書式や案内文が分かりにくく住民は苛立っているのに作成者側はそれに気付かない。
(「役所では昔からこういう書式で提供しており、申請書とはこういうものだ」と思っている→洞窟のイドラ)

C.マスクが品薄になりそうだというニュースを聞き急いで大量購入したが、実際は少量のマスクで十分足りた。
(「品薄」という言葉に過剰反応し、宣伝にのせられてしまった→市場のイドラ)

D.人気番組で健康に良いと紹介された食品をその真偽や効果の程を確認せず思わず買ってしまった。
(有名番組で人気司会者が言っていたからその気になってしまった→劇場のイドラ)

さて、「世の中の空気は作られる」という言葉というか言い回しがありますね。

書きすぎるといろいろな方面からお叱りを頂きそうな気がするので止めておきますが、私たちが日常的に触れている情報は「作られている」「作されている」部分が少なからずあります

特に「流行となっている事象」や「現在もてはやされている言説」などは要注意です。

これを読んで「面白うそうだな」と思ったら、是非この「4つのイドラ」で、あなたの身の回りを注視してみてください。

もしかしたら、恐ろしいことに気づくかもしれません。

(中沢努「思考のための習作」から抜粋)

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