表題の言葉、ずいぶん前になりますが、著名な医師である日野原重明さんの講演を聞いた中で印象に残った言葉で、私がいつも心に留めている言葉です。
最近、自分の都合で相手に対して一方的に「変われ!」というようなケースが多いような気がします。
国の都合で地方に、会社の都合で社員に、上司の都合で部下に、学校の都合で生徒に、親に都合で子供に、などなど・・・。どちらかというと力の強い者が、より力を前面に出して振る舞うことが多くなっているのかもしれません。自己中心的、個人主義的風潮で増幅しているようにも思います。
私の身近では、労働トラブルに関する話を聞くことが増えてきました。双方のちょっとした行き違いが積み重なった結果であることがほとんどですが、力が強い側の一方的な態度が火をつけてしまい、大きなトラブルになってしまっていることも多々あります。
組織内においても、例えば部下指導の場面では「ここが悪い、あそこが悪い、だからお前が直せ」というようにダメ出しばかりの指導だったり、上司に対するコミュニケーションの場面では、部下からの一方的な苦情、指摘、要望ばかりだったりと、どうも相手だけを自分に都合よく変えよう、という態度が目に付きます。
どんな人でも、ともすると自分の都合にこだわり、他者批判に傾きがちになってしまいます。でもそんな時には一息置いて、「相手を変えたければ、まず自分が変わる」という意識で相手に接すると、今までと違った結果が得られるように思います。
結局はお互い様、ということなのではないでしょうか。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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