「リスクと取らないことこそリスクだ」という話 - 組織戦略・組織作り - 専門家プロファイル

ユニティ・サポート 代表
東京都
経営コンサルタント
03-4590-2921
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:人事労務・組織

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

「リスクと取らないことこそリスクだ」という話

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 人事労務・組織
  3. 組織戦略・組織作り
社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 お勧めの取り組み

 「リスク・マネジメント」とは、“リスクを組織的に管理して、損失等の回避や低減を図るプロセス”と定義されます。特に東日本大震災以降は、事業継続の観点からその重要性が一層強調されるようになりました。

 

 それが大切なことは、私もそれなりにわかっているつもりでしたが、ある専門家からお話を聞く機会があり、そこでの話は私が今まで持っていた認識とは少し違ったイメージのものでした。「リスク・マネジメント」は、ただ「リスクを避けること」ではないという話です。

 

 「リスク・マネジメント」を日本語に直訳すれば「危機管理」となりますが、「危機」の“危”は文字通り危ないということと合わせ、“機”は機会の意味だといいます。

 「リスク」の語源には諸説あるようですが、イタリア語で「勇気をもって試みる」という“risicare”や、アラビア語で「今日の糧を得る」といった意味の“risq”があり、まさにポジティブに何か得るための「機会」の意味です。

 

 「リスク」には二面性があり、一方は災害や紛争のような「ハザード」の意味で、そこから受ける被害を最小化することがありますが、その一方で、発展を目指して何か行動する際に失敗の芽を先に摘んでおくことや、実行するための安全度を増すという側面があります。リスクを避けるだけでなく、リスクをとって対処するということです。

 「橋を渡らないことではなく、橋を渡るために必要なのがリスク・マネジメントだ」ということでした。

 

 こういわれると、仕事上の行動や日々の活動が、すべてそれにつながっている感じがします。

 外出しなければ交通事故にあう可能性は限りなく低くなりますが、それでは経験できることがかなり限定されます。

 人間関係の軋轢を避けるのであれば、他人と一切付き合わなければ良いですが、それでは人を関わることで得られるメリットや喜びはありません。

 ネットの炎上防止も、発信をやめるよりも発信のしかたや内容を考えた方が前向きです。

 新規事業や起業などはまさにそうで、そんなことをしなければ失敗することはありませんが、成功する可能性もありません。

 

 リスクと聞くと、ついつい「危険」を避けることばかりに意識が向きますが、本来はリスクをとって「機会」を作り、そこで起こる問題に向き合って、最終的な果実を得ることです。

 「リスクと取らないことこそリスクだ」という言葉も目にしました。

 

 身の回りの「リスク」を見直し、そのかかわり方をあらためて考えると、実はもっと積極的に取り組むべきことがたくさんありそうです。今までとは少し違ったことができるように思います。

 

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(東京都 / 経営コンサルタント)
ユニティ・サポート 代表

組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。

組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。

03-4590-2921
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

カテゴリ 「社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集」のコラム

カテゴリ このコラムに関連するサービス

対面相談 【対面】「活気がない」「やる気が出ない」職場活性化を考える

当事者では気づきづらい組織風土の問題をアドバイス。同テーマ商品の対面相談版です。

料金
6,000円

「今一つ元気がない」「何となく一体感がない」など、職場の風土や雰囲気に関する悩みについては、当事者しかわからない事情とともに、当事者であるために気づきづらい事もあります。これまでのコンサルティングで、活気を維持する、活気を失う、活気を取り戻す、という様々な事例、プロセスを見た経験から、会社状況に合わせた原因分析、対策をアドバイスします。(同テーマのメール相談を、より詳細に行うための対面相談です)

【対面】「活気がない」「やる気が出ない」職場活性化を考える

このコラムに類似したコラム

「自力でできること」と「どうしようもないこと」の区別 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2023/08/17 08:32)

組織の中で「感情的」が必要になること 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2023/07/19 22:59)

チームの「一体感」と「競争」の両立という話 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2022/09/28 23:00)

3分で読める!社労士コラム~労使のバランス・オブ・パワー~第7回(フリーランス問題) 中尾 恭之 - 社会保険労務士事務所レリーフ(2022/06/02 10:42)

「他人の残業」は無駄で「自分の残業」は必要? 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2020/11/03 08:08)