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チームの「一体感」と「競争」の両立という話

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 私の思い・考え

 あるプロスポーツを特集したテレビ番組の中で、チーム内の「一体感」と「競争」を両立させなければならないが、そのバランスがとても難しく、強いチームは良いバランスを見つけることができているという話をしていました。

 チームとしての勝利、成果を上げるためには「チームの一体感」が必要だが、選手個々のポジション争いという「競争」もまたチーム力の強化や活性化のためには必要で、チームマネジメントをしていく上で、そのバランスをどのように取っていくかが重要とのことでした。

 

 「一体感」と「競争」は、基本的には相反することで、矛盾することを両立させることになりますから、その難しさは十分に理解できます。

 これを、企業に当てはめて考えてみると、似た部分と違う部分があります。

 

 まず「競争」という点が、プロスポーツの世界と企業では、かなり違いがあるように思います。

 スポーツでは、競争に勝ってポジションを取らなければ、試合に出ることができません。チームに貢献するとか、自分の能力を見せる機会すら与えられず、仕事をする場自体が制限されます。試合に出られる人数は、交代要員も含めて決まっているので、競争に勝って自分の序列を上げなければ、仕事をするチャンスは得られません。

 

 これに対して企業では、仕事をする機会は競争する以前にすべての人に与えられます。役割の違いはあっても、全員にレギュラーポジションはあるということです。さらに人数や役割に明確な制限はありません。自分なりの役割を見つければ、新たなポジションが増えることもあるでしょう。

 出世や報酬に関する競争はありますが、その結果がどうであっても何らかの仕事は与えられ、仕事をする(イコール試合に出る)機会は得ることができます。

 こう考えると、プロスポーツでは「一体感」と「競争」のバランスが難しい一方、企業の場合は「競争」の比率は比較的少なく、その分「一体感」の比率が高いことがわかります。

 

 一般的な企業でも、特に営業主体の会社では、個々の社員を競争させるようなマネジメント手法が見られます。それは一つのやり方ではありますが、「競争」をあおれば、その反面で「一体感」は必ず薄れます。問題はそれが全体の成果につながっているのかということです。

 

 最近は、特に若手社員を中心に、あまり競争を好まず周りとの協調に気を遣う傾向が増しています。他人との競争よりは、仕事自体の面白さや社会的意義、周囲との人間関係の良さといった、内発的、主観的なものに価値を見出します。

 さらに企業では、プロスポーツの世界とは違って、競争することをやめてもチームに参加することはできます。出世の機会は減り、報酬は上がらないかもしれませんが、それを追いかけることが必須ではありません。また、競争心のある人ほど会社に貢献しているのかといえば、一概にそうとは言えません。

 

 こんな様子を見ていると、これからの時代の企業におけるチームマネジメントでは、「競争」をあおるよりも、「一体感」を醸成することに注力する方が、よりチーム力を向上できる気がします。

 

 

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