若い世代の「自己完結力」 - 人材育成全般 - 専門家プロファイル

ユニティ・サポート 代表
東京都
経営コンサルタント
03-4590-2921
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:人材育成

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

若い世代の「自己完結力」

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 人材育成
  3. 人材育成全般
社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験

 若い世代の人たちに対して、「わからないことがあっても聞いて来ない」「質問が少ない」と不満を言う上司、先輩にときどき出会います。そうかと思えば、「何か指示しても、いちいち理由を聞かれて面倒」などと言いますから、質問してもしなくても文句を言っている訳で、ちょっと矛盾を感じます。

 結局は、上の世代が「質問するべき」と思っていることを聞かず、「自力で理解すべき」と思うことを聞いてくるという基準の違いが問題なのだと思います。

 

 これに関連するかもしれないことで、以前目にしたある記事を思い出しました。

 中高年女性の手記だったと思いますが、ある時20代の知人女性と旅行をして、筆者は道に迷ったりすると、すぐに通りすがりの見知らぬ人に道を聞いてしまうそうで、それが問題解決も早くて当然のことと思っていたそう。しかし、同行していた女性はその行動をとても不愉快に思っていて、その理由は「自分で調べれば解決できることに他人を巻き込んでいる」ということだったそうです。他人の時間を奪って迷惑を顧みない態度に見えて、不快に思っていたといいます。

 今の世の中、確かにスマートフォンがあれば、自分で道を調べて目的地にたどり着くことはできます。

 

 また別のある時、自宅のトイレの水が止まらなくなってしまい、修理業者を探そうとあたふたする自分を尻目に、娘さんがスマートフォンで修理のしかたを検索して、すぐに直してしまったそうです。

この筆者は、他人に聞いたり頼ったりすることが悪いとは思わないが、いつも人に頼ることが前提になっているのは、今の時代ではどうなのかと反省したという話でした。

 

 私自身のことで言えば、あまり人に頼るのが好きではないので、何でも自分で調べて解決しようとする傾向があります。結果的に回り道になることもありますが、特に最近はネット上に様々な情報があるので、それで早く安価で簡単に解決できることがほとんどです。

 

 私の周りにも、すぐ他人に道を聞く人が何人かいます。決まって言うのは「聞いた方が早い」です。

 ただ、人から教わったことがあやふやだったり間違っていたりすることがありますし、複数の相手に聞くこともないので、教わった情報があっているのか検証することもできません。

 これに対して、ネットの地図情報であれば情報自体は正しいので、調べ方さえ間違わなければ確実に問題解決ができます。

 このように見れば、決して「聞いた方が早い」とは言えません。

 

 これを先ほどの「わからないことがあっても聞いて来ない」「質問が少ない」という年長者の不満に当てはめると、若い世代は全般的に、自分のことに他人を巻き込むのは失礼だと考えていて、まず自分で調べられることは極力調べようとします。

 他人に質問して回答をもらっても、それがあっているのか信用できないということもあるかもしれません。あふれる情報の中から、自分に合う物や信用できるものを選び出すことが習慣づいているからです。

 先ほどの「何か指示しても、いちいち理由を聞かれる」というのは、指示されたことが本当に必要なのか、自分なりに考えたいということではないでしょうか。

 ここからすれば、細かい説明を省いて以心伝心を求めたり、「いいからやれ」「黙ってやれ」といったりする姿勢では、若い世代の行動が鈍るのは間違いないでしょう。

 

 年令で一概に言い切るのはよくありませんが、私は実は若い世代の方が、「できるだけ自分で考えよう」「できるだけ自力で解決しよう」という「自己完結力」は高いと思っています。

 対人コミュニケーションが必ずしも得意でないという傾向はあっても、少なくとも「消極的」や「人任せ」という評価とは違います。

 

 お互いが自分たちの基準で不満を言い合っても、世代間ギャップやコミュニケーションギャップは埋められません。なぜそういう行動になるのか、お互いの考え方のベースを知っておく必要があります。

 

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(東京都 / 経営コンサルタント)
ユニティ・サポート 代表

組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。

組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。

03-4590-2921
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

カテゴリ 「社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集」のコラム

カテゴリ このコラムに関連するサービス

対面相談 【対面】「活気がない」「やる気が出ない」職場活性化を考える

当事者では気づきづらい組織風土の問題をアドバイス。同テーマ商品の対面相談版です。

料金
6,000円

「今一つ元気がない」「何となく一体感がない」など、職場の風土や雰囲気に関する悩みについては、当事者しかわからない事情とともに、当事者であるために気づきづらい事もあります。これまでのコンサルティングで、活気を維持する、活気を失う、活気を取り戻す、という様々な事例、プロセスを見た経験から、会社状況に合わせた原因分析、対策をアドバイスします。(同テーマのメール相談を、より詳細に行うための対面相談です)

【対面】「活気がない」「やる気が出ない」職場活性化を考える

このコラムに類似したコラム

流れを意識したコミュニケーション 長谷川 進 - 経営コンサルタント(2014/02/24 06:34)

「いらないと思うビジネスマナー」にも意味があるとわかってもらうには 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2023/01/18 22:24)

コミュニケーションの基本 長谷川 進 - 経営コンサルタント(2021/11/16 11:06)

コミュニケーション力の維持 長谷川 進 - 経営コンサルタント(2021/10/12 10:44)

トラブル時のコミュニケーション 長谷川 進 - 経営コンサルタント(2021/08/30 11:16)