懲戒解雇 - リストラ・不当解雇 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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対象:労働問題・仕事の法律

村田 英幸
(弁護士)
田中 圭吾
(行政書士)

閲覧数順 2016年12月09日更新

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○懲戒解雇の要件事実

1、就業規則上の懲戒事由の定め

2、懲戒事由に該当する具体的事実

3、懲戒解雇の意思表示

 

・労働契約法15条が、使用者の懲戒権行使が客観的に合理的な理由がなく社会的相当性がない場合には、濫用として無効となることを規定している(判例として、最高裁昭和58・9・16、最高裁平成18・10・6)。

○懲戒解雇と普通解雇との本質的な違いは、退職金の支給の有無ではなく、使用者の懲戒権の行使としての解雇である点にある。

○労働基準法20条1項ただし書では、解雇予告せずに、「労働者の責めに帰すべき事由に基づいて」即時解雇できる場合を認めている。

労働基準法20条1項ただし書の即時解雇は、懲戒解雇と重なる部分が多いであろうが、普通解雇の場合もあると解されている。

 

・退職金の支給の有無は退職金支給規程による。懲戒解雇の場合、退職金が支給されないことが多いが、退職金の一部が支給される場合もあるし、普通解雇の場合でも退職金が全部または一部が支給されない場合もある。

 

・使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種別および事由を定めておくことを要する(最高裁昭和54・10・30、現在では、解雇を含む退職に関する事項は就業規則の必要的記載事項である。労働基準法89条3号)。就業規則の効力が生じるためには、労働者への周知が必要である(労働基準法90条。最高裁平成15・10・10)。

 

・諭旨解雇は、形式上懲戒解雇として扱わないが、退職金について、全部または一部不支給または、全部支給する扱いとされている。

 

・懲戒解雇の普通解雇への転換

懲戒解雇と普通解雇は要件・効果をことにするから、訴訟になってから、使用者が懲戒解雇を普通解雇の意思表示を含むと主張することはできないと解されている。

懲戒解雇当時、使用者が認識していなかった非違行為は、特段の事情のない限り、懲戒解雇の有効性を基礎づけることはできない(最高裁平成8・9・26)。例外的に、処分時に、懲戒解雇事由とされた事実と一連一体をなす同種の行為については、追加主張が許されるとする見解が有力である。

 

・懲戒解雇事由がある場合に普通解雇することは、労働者の将来を考慮して実務上もみられることであり、有効と解される。

 

 

退職事由の根拠(就業規則、労働協約、労働者との個別契約)

 

○労使間の労働協約の解雇協議条項

整理解雇の場合には要件(要素)とされており、この要件を欠く場合には、整理解雇は無効とされやすい。

普通解雇や懲戒解雇の場合、労働組合との解雇協議条項違反だけで解雇無効とする裁判例は少ないようである。しかし、労働者本人への弁明機会の付与、労働基準法20条の解雇予告(ただし、予告不要の場合あり)の手続は最低限必要である。

 


















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